クシマクロビオティックスから見た、悪性リンパ腫やホジキン病（ホジキンリンパ腫）の原因と対応方法について説明します。
悪性リンパ腫は、血液の癌で、リンパ系組織から発生した癌を指します。
悪性リンパ腫の患者数は、2012年の調査で約2万7000人とされ、死亡者は年間で約1万2000人弱とされます。死亡率は、全ての年齢層で、女性よりも男性が高いとされます。
また発症率も、女性より男性が高いとされます。
悪性リンパ腫は、大きく分けるとホジキン病（ホジキンリンパ腫）と非ホジキンリンパ腫の2つに分離されます。患者の割合は非ホジキンリンパ腫のほうが多く、非ホジキンリンパ腫が約90％で、ホジキン病が約10％です。
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ホジキン病は、20代や50代以上の大人に見られ、股間や脇の下、頸部のリンパ節の肥大を伴って、脳や隣接したリンパ節に転移することがあるとされます。
非ホジキンリンパ腫は、全身のあらゆる部位に発症し、様々に転移するとされます。
従来的医療では、ホジキン病（ホジキンリンパ腫）と非ホジキンリンパ腫のいずれにも、放射線療法や化学療法が行われることが多いとされます。ホジキン病は、一般的には、悪性度が低く、予定通りに治療できれば治ることが多いとされます。
マクロビオティックの観点からすると、リンパの癌は、主に陰性な飲食物の過剰摂取の結果として、リンパ節や臓器の異常な拡張と炎症によって引き起こされるとしています。
リンパの癌の中では、ホジキン病（ホジキンリンパ腫）が、最も拡張した症状とされ、砂糖やチョコレート、菓子類、牛乳や乳製品、果物、果汁、脂っぽい食品、アルコール類、薬物、化学薬品などの過剰摂取から引き起こされるとされます。
非ホジキンリンパ腫は、極陰性な要因が含まれることが多いとされますが、そうした飲食物の摂取量や頻度は少なめであるとされ、塩分や焼いた食品など、収縮性食品の摂りすぎによる症状があるとしています。
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
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▼症状の解消
陰性症状のホジキン病（ホジキンリンパ腫）と非ホジキンリンパ腫は、陰性傾向に対応した食事（標準食から陽の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正）に従い、陽性症状の非ホジキンリンパ腫は、陽性傾向に対応した食事（標準食から陰の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正）に従います。
どちらの症状の場合も、以下は避けることとされます。
- あらゆる種類の乳製品
- すべての動物性食品
- 植物油
- ドレッシングを含めた脂っぽい食品
- 砂糖
- 菓子類
- 精白穀物や小麦粉製品
- 熱帯産の果物や野菜類
- 冷たく冷やした飲食物
- コーヒーや紅茶、ハーブティー
- ミネラルウォーター
- その他の刺激物
- スパイス類
- タバコ
- アルコール類
- 薬物
また、食べものは、全て加熱調理したものとして、生のままでは食べないこととされます。味付けも適量の中庸とすることとしています。
ほかにも注意点や特別な料理や飲みもの、外側からの家庭療法など、多くの対応方法が紹介されています。一部だけ紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。
- 玄米を主食とし、日によって雑穀や大麦を混ぜて炊いたり、単独で炊いたりして食べる、炊くときに切手大のコンブ1かけら、または自然海塩をひとつまみ加える。
陽性症状のリンパ腫では、玄米は圧力なべで炊くよりも、無圧で炊いたものを頻繁に食べ、症状が改善されるまでは、炊くときにコンブ1かけらを加える。 - 硬く焼き締めた小麦粉製品はすべて避ける。ただし、イーストを使わない、質のいいサワードウブレッド*1なら、1週間に2～3回食べてよい。
- 蕎麦（そば）類やセイタン*2は避けるか最小限にする。陰性症状では、ときどき蕎麦を使ってよい。
- 1日1～2杯のスープを毎日摂る。特にワカメや玉ねぎ、ニンジン、その他の野菜を入れた味噌汁がよい。時々、干しシイタケを、味噌汁やすまし汁に少量使うとよい。
スープにレンコンを頻繁に使うとよい。 - 青菜や球形の野菜、根菜類を毎日食べる。玉ねぎなど甘い野菜をやや多めに摂るとよい。蒸したりゆでたりした緑の野菜も頻繁に食べるとよい。
- 陰性症状のリンパ腫では、豆類や豆製品、海藻、漬物について、標準的な推奨事項に従う。
- 陽性症状のリンパ腫では、大豆を調理する際に、コンブやニンジン、玉ねぎをあわせて、少量の味噌で調理するとよい。
*1 サワードウ・ブレッド（sourdough bread）
サワードウ（天然酵母）を使ったパン（サワードウ・ブレッド、サワーブレッド）は特有の強い酸味と風味を持っている。小麦やライ麦の粉と水を混ぜてつくる生地に、乳酸菌と酵母を主体にして複数の微生物を発酵させた、伝統的なパン。
*2 セイタン（seitan）
小麦から取りだされたグルテン（蛋白質）を主原料とした加工食品で、マクロビオティックでは肉の代わりに使われる。グルテンミートと呼ばれることもある。海外では、セイタンという名称が一般的。グルテンを主原料にした食品は、ほかに麩が有名。
*THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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