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クシマクロビオティックスから見た、神経疾患の原因と対応方法について説明します。

実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法がありそうだということは認識しておきましょう。

▼前提
致命的な症状が疑われる場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。

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神経疾患には、めまいや麻痺、神経の圧迫、眼のくらみ、てんかん、多発性硬化症(ALS)、神経痛、パーキンソン病、椎間板ヘルニアなど脊髄の疾患、末梢神経の疾患など様々な症状があるとされます。
脳の疾患や頭痛、筋肉疾患の項目も参照することとされています。

1 概要
現代医学や科学では、精神的・感情的な疾患は主に心理的要因によって起こされ、神経疾患は肉体的原因または器質性の潜在的要因によって起こされるとされています。
多くの場合、器質性の神経疾患の原因は不明で、治療不能とされますが、薬品の処方などの医療措置で、症状の進行と影響が抑制されるとしています。

マクロビオティックの観点では、肉体的疾患と心理的疾患、神経疾患と精神的・感情的疾患の間には、明確な区別はなく、神経系や循環器系、消化器系、呼吸器系の各組織が、すべての症状や疾患と密接に関連し、影響を及ぼしているものとされます。
大半の場合で、適切な食事法や運動、生活様式の実践を行うと、神経疾患の予防と緩和に役立つとしています。

2 原因

    1. 神経系組織は、消化器系の組織と相補関係にあるとしています。
      2つを比較すると、硬く小型に締まった神経系組織のほうが陽性で、ゆるく膨張傾向がある消化器系組織のほうが陰性であるとされます。
      神経系組織は、エネルギーを陰性の波動や振動の形で消化・吸収するのに対し、消化器系組織は、エネルギーを物質的な食べものの形で消化・吸収しているとしています。
      相補相反の法則によると、神経系組織は、陽性の過剰物質を動物性食品や塩、小麦粉焼成食品などの形で集積しやすく、消化器系組織は、陰性の過剰物質を砂糖や油、果物、スパイス、アルコール、薬物などの形で集積しやすいとしています。極陰性は極陽性を引きつけ、極陽性は極陰性を引き寄せるために、極陰性物質も神経系組織に集約されて、薬物が脳を混乱させたりします。また極陽性物質は消化器系組織に集約されて、肉が膵臓や大腸に癌を生じさせたりします。


       

    2. 神経系の組織は、脳や脊髄、全身の神経から構成されています。
      機能的に、神経系組織は、陽性の中枢神経組織と、陰性の末梢神経系組織とに分けられます。中枢神経系組織は、陽性の脳と陰性の脊柱で構成されます。
      全般的に、中枢神経系組織は陽性に影響を受けやすく、末梢神経系組織は陰性に影響を受けやすいとされます。
      陰性の過剰物質は脳に集積しやすく、陽性の過剰物質は脊柱に集積しやすいとしています。
      ただし、場合によっては、まったく逆の傾向が生じることがあるとしています。
      新緑の木漏れ日のイメージ


    3. 末梢神経系組織は、感覚への判断と反応を支配する自律神経で、陽性の副交感神経末端と、陰性の交感神経末端とに分かれるとされます。
      副交感神経は、12対の脳神経と、31対の脊髄神経から構成され、人体の末端部分(陰性)に位置するとされます。
      交感神経は、脳神経と脊髄神経が釣り合いを保って成り立っており、体内の深部(陽性)に位置するとされます。また自律神経系は、体内環境と気候、気圧、電気的刺激など、外界からの刺激を調整し、無意識や自動的反応を司ります。
      全般的に、陽性の動物性食品は、感覚を強化し、視覚や聴覚、嗅覚、味覚など知覚能力を研ぎ澄ませるものとしています。一方、陰性の植物性食品は、自律神経を発達させ、より短い波長や微妙な波動、強力な直観力、超感覚的能力またはスピリチュアルな能力の受容に結びつくものとされます。


    4. ほぼ全ての臓器や組織、平滑筋には、交感神経と副交感神経から成る自律神経の対があり、相対する働きをしているとしています。
      たとえば副交感神経は、血管を拡張し、気管支を収縮させ、虹彩を拡張し、消化器系の括約筋を弛緩させるとされます。
      また、交感神経は、血管を収縮させ、気管支を拡張し、虹彩を収縮させ、消化器系の括約筋を収縮させるとしています。
      自律神経系の反応の概要は、次のとおりとされます。

      • 副交感神経は、膨張した臓器に働くと収縮作用が起き、緻密な臓器に働くと拡張したり膨張したりする作用が起こります。
      • 交感神経は、中空な陰性臓器の働きを抑制し、緻密な陽性臓器の働きを刺激します。
      • 一般的に、副交感神経組織は、薬物や医薬品といった極陰性に影響を受けやすいとされます。
        交感神経組織は、肉類や卵、塩といった極陽性に影響を受けやすいとしています。
        たとえば、極陰性の薬物は、眼の瞳孔を収縮させ、血管を拡張させますが、長期間に渡って薬物を服用すると、副交感神経が疲労した結果、収縮能力が失われ、瞳孔が拡張し、血管が収縮することになります。


    5. 細胞レベルでいうと、ニューロンは、中心にある神経細胞と、陽性の短い樹状の突起、陰性の長い軸から構成されているとされます。
      これらの分化した細胞は、外部からの刺激を受容し、変換しています。
      入ってくる刺激は、拡散した陰性な構造と、求心的な陽性のエネルギーを持ち、出て行く刺激は、収縮する陽性の構造と、遠心的な陰性のエネルギーを持っているとしています。
      摂取された食べものの過剰分は、相補相反の法則により、それぞれの細胞の組織や機能に影響を及ぼすとしています。
      たとえば、一部の精神疾患は、脳細胞の劣化に特徴づけられ、樹状突起内の、陽性で求心的なエネルギーの喪失を意味するとしています。この症状は、主に過去に摂取した砂糖や菓子類などの陰性要因によって引き起こされるとしています。


    6. 一般的に、神経細胞や神経組織に関連するけいれんや発作は、摂取された極陰性な飲食物を、体内で相殺するために起きる陽性な症状とされます。
      ひきつりは、主に、収縮力を失ったり陰性過剰によって起きたりする、陰性な症状とされます。
      麻痺やうずきは、陰陽のどちらかの過剰摂取によっても引き起こされるとされます。
      神経細胞の衰弱や筋肉組織の喪失は、主に陽性食品の過剰摂取によって起きるとしています。
      神経痛で、中程度の鈍くて散漫な痛みや長期に渡って継続する傾向がある痛みは、陰性食品の過剰摂取によるものとされます。一方、神経痛で、激しく刺すような激痛や短期に終わる傾向があるものは、陽性食品の過剰摂取によるものとしています。


    7. 細胞から全身のレベルに至るまで、肉類や卵、チーズ、魚介類、その他の動物性食品や過剰な塩分、パンなどの小麦粉焼成食品の摂取は、神経を痛めつけて狭め、硬化させ、柔軟性を欠いた思考や行動につながるとしています。

    8. 細胞から全身のレベルに至るまで、砂糖や菓子類、その他の精製甘味料、乳製品、精白穀物、熱帯原産の食品、大量の果物や果汁、過剰な油分、生の食品、コーヒーなどの刺激物、スパイス、アルコール類、薬物といった極陰性食品の摂取は、神経を緩めて拡張させ、衰弱させて、焦点や集中力が欠け、記憶が喪失し、優柔不断など陰性な症状を引き起こすとしています。

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3 個別の症状について

3-1 てんかん
3-2 湾岸戦争症候群
3-3 めまい
3-4 アルツハイマー病
3-5 神経痛
3-6 末梢神経障害
3-7 脊髄の疾患(椎間板ヘルニア)
3-8 パーキンソン病
3-9 筋萎縮性側索硬化症(ALS)
3-10 多発性硬化症(MS)
3-11 トゥレット症候群(チック症)
3-12 ハンチントン病

 


4 症状の解消

ほかにも注意点や特別な料理や飲みもの、外側からの家庭療法など、多くの対応方法が紹介されています。一部だけ紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。

  1. 毎食の主食として全粒穀物を摂る。特に玄米や雑穀、大麦などがよく、その他の穀物も時々摂るようにする。
    陽性な神経疾患の場合には、蕎麦(そば)類やセイタン*は、避けるか量を制限する。
  2. パンなどの小麦粉焼成食品は、できるだけ避ける。
  3. 1日1回、味噌汁を飲むとよい。
    味噌は、陽性症状ではやや少なめに、陽性症状ではやや多めに調節する。
    味噌汁は、2~3年熟成させた味噌やワカメ、コンブ、1~2種類の野菜を入れて作る。野菜の種類は、毎日違うものにする。
  4. 以下を季節や症状、入手状況に応じて調整し、毎日摂る
    • ダイコンの葉やニンジンの葉など、食物繊維が豊富な硬い緑の葉物野菜
    • 玉ねぎなど球形の野菜
    • 秋冬のカボチャやキャベツなど甘い野菜
    • ダイコンやニンジン、ゴボウなどの根菜類
  5. 神経を鎮めて落ち着かせるには、玉ねぎが特によい。以下など様々に調理して使うとよい。
    • 丸ごと調理して、味噌で味付けする
    • 他の野菜類と合わせて調理する
    • 味噌汁などスープに加える
  6. 豆腐や納豆、テンペなど、豆類や豆製品を少量ずつ定期的に摂る。
  7. 以下のようにして海藻を毎日、少量ずつ摂る。ワカメを味噌汁に入れる
    • コンブ1片を全粒穀物や豆類の調理に使う
    • 焼きのり1/2枚やアラメ、ヒジキなどを副菜として、週に2~3回摂る

5 留意点

  • 食事療法を行っても、即効性が見られない症状の場合は、西洋医学で医師の診断を受けること。

* セイタン(seitan):
小麦から取りだされたグルテン(蛋白質)を主原料とした加工食品で、マクロビオティックでは肉の代わりに使われる。グルテンミートと呼ばれることもある。海外では、セイタンという名称が一般的。グルテンを主原料にした食品は、ほかに麩が有名。


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