クシマクロビオティックスから見た、その他の感染症の原因と対応方法について説明します。
感染症は、注意すべき結核やインフルエンザの他にも多数あります。
たとえば、毛細血管の内壁に住んでいる小さな微生物のリケッチアによる感染症は、主にマダニやダニ、ノミ、シラミなどの昆虫類によって媒介され、生きた細胞内でのみ増殖するとされ、発疹チフスや紅斑病、ツツガムシ病などを引き起こすとされています。
また、小さな単細胞生物が媒介する細菌による疾患では、コレラやジフテリア、腸チフス、ブドウ球菌感染症、連鎖球菌感染症、肺炎、髄膜炎、ハンセン病などがあるとされます。
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そのほか、新たな細菌性疾患として、エアコンの配管や、スーパーで生鮮食料品を展示する際に使われる噴霧器、噴水、ビル屋上などにある冷却塔などで広がるレジオネラ症(在郷軍人病)や、肉類が消費される地域に広範に見られるとされる連鎖球菌感染症の壊死性筋膜炎などがあるとしています。
世界を見ると、この数世紀間は沈静化していた、黒死病(ペスト)が、砂漠地帯など様々な地域で、再び表面化してきているとされます。黒死病(ペスト)は、大別すると2種類があり、1つはリンパ節が腫れて肝臓や脾臓(ひぞう)に炎症が起きる腺ペスト、2つめは肺に感染する肺ペストがあるとしています。
赤痢は、主にアメーバや寄生虫、細菌などに触れた後に発症します。アジア圏を旅行した際などに、汚染された水や飲みものに入った氷、菌が付着した食べものに接触することで発症し、帰国したのちに発見されることもあります。
なお赤痢の中には、感染症ではなく、化学薬品の毒性によって、赤痢様の症状を呈しているものもあるとされます。
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大半の細菌性疾患には抗生物質が投与されますが、その結果として、薬剤に耐性を持った新たな変種が生まれてきているとされます。
多くのブドウ球菌感染症に、最後まで有効であったバンコマイシンにも、薬剤耐性が生じ始め、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)やバンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VISA)、バンコマイシン耐性ブドウ球菌(VRSA)が報告されてきています。
これらの耐性菌が出現した背景には、家畜飼料への抗生物質の投与が関わっているとも言われています。
その他のウイルス性疾患では、次のようなものが挙げられます。
- 感染した動物に噛まれたり、唾液によって感染したりする、脳や脊髄を侵される狂犬病
- ねずみなどげっ歯類が媒介して肺や腎臓が侵されるハンタウイルス感染症
- 蚊が媒介する黄熱病
- 致死性の出血性発熱で、汚染された猿の肉との関連性が指摘されるエボラ出血熱
- 肺炎に似た症状の、致死性呼吸疾患であるSARS(重症急性呼吸器症候群)
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法がありそうだということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防の観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
▼症状の予防と解消
一般的に、感染症の原因と対応方法の項目で取り上げた食事療法などの対応法に従います。
しかしながら、個々の疾患を起こす元凶となった食品や摂取した組み合わせによって、対応方法に違いが出るため、推奨事項も、やや陰性または陽性に微調整が必要とされます。
全般的に、感染症は、より陰性な原因で引き起こされ、感染する患者の状態も陰性であることが多いとされます。
この場合には、陰性傾向に対応した食事(標準食から陽の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)に従います。
そのほかに、特に強力な動物性食品を継続して摂取しているなど、極端な食事の組み合わせで発症するものもあり、この場合には、陰陽両極端が併合した症状のための、中庸の食事に従います。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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