日本の農作物を取り巻く現状について説明します。

日本の農作物は、戦後から長年、一般的に、慣行農法と言われる化学肥料と化学農薬を使った栽培法が続けられてきました。

慣行栽培の農作物は、傾向として、溶けるように腐ります。
一方、有機栽培やそれに準じたような栽培法で作った農作物は、傾向として、腐らずにしなびていきます。

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もちろん、化学肥料や化学農薬を使わない、有機栽培や有機栽培に準じた栽培法を使って農作物を作っている生産者も少数は存在します。しかしながら、農水省によると、平成19年の時点で、国内総生産量に占める、有機農産物の格付数量は0.18%だそうです。

こうした栽培法で農作物を作り続けた結果として、様々な弊害が出てきています。


1 農作物の栄養価が偏っている
日本で栽培され、出荷された農作物の栄養価(ミネラル)が落ちているとされます。

この情報の元になっているのは、「日本食品標準成分表」だと思いますが、実際に確認してみると、いろいろなからくりがあって、そのまま鵜呑みにはできないようです。

農作物の栄養価が落ちているというよりも、栄養価が偏ってしまい、時には毒性まで持ってしまっているという表現が近いのかもしれません。そう考えた理由は、以下となります。

  • 栄養成分の分析方法が変更されていること
    分析法が変更されるたびに、農作物の栄養成分が低く示されるようになる傾向があります。
  • 年間を通しての平均的な栄養成分が重視されていること
    ある農作物について、旬の時期と旬でない時期の栄養価の幅が大きい。つまり、旬の農作物についてはそれほど差がないとされますが、旬以外の農作物で、栄養価が全く異なり、低くなっています。

現状で分かっているのは、慣行栽培で作った野菜類では、硝酸態窒素や残留農薬をはじめとし、様々な汚染や栄養価の偏りがあるようだということです。

参考までに、有機栽培作物と無機(化学)栽培作物に含まれた栄養素の比較を記載します。
微量元素などのミネラルに限っていうと、慣行栽培で作った農作物は、有機栽培のものに比べて、およそ4分の1程度になっています。アメリカの例です。

久司道夫 久司アヴェリン偕代共著 マクロビオティック食事法<上> 日貿出版社より引用します。

乾燥重量中のパーセンテージ 乾燥重量100グラム中に含まれる量(ミリグラム) 乾燥重量100グラム中に含まれる量(グラム)
全てのミネラル分 リン カルシウム マグネシウム カリウム ナトリウム ホウ素 マンガン 鉄 銅 コバルト
サヤインゲン
有機栽培 10.45 0.36 40.5 60.0 99.7 8.6 73 60 227 69.0 0.26
無機栽培
(慣行栽培)
4.04 0.22 15.5 14.8 29.1 0.0 10 2 10 3.0 0.00
キャベツ
有機栽培 10.38 0.38 60.0 43.6 148.3 20.4 42 13 94 48.0 0.15
無機栽培
(慣行栽培)
6.12 0.18 17.5 13.6 33.7 0.8 7 2 20 0.4 0.00
トマト
有機栽培 14.20 0.35 23.0 59.2 148.3 6.5 36 68 1,938 53.0 0.63
無機栽培
(慣行栽培)
6.07 0.16 4.5 4.5 58.8 0.0 3 1 1 0.0 0.00

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2 硝酸態窒素の汚染が進んでいる

化学肥料時代の常識では、植物の成長に必要な三大栄養素として、窒素とリン酸、カリウムが挙げられ、主にこうした栄養素を化学的に作ったものが、肥料のなかに含まれています。その中の硝酸態窒素が、すでに日本中の河川や地下水を汚染しているとされています。

化学肥料中の窒素は、主に硝酸態窒素として植物に吸収されます。硝酸態窒素とは、水中の硝酸イオンと硝酸塩に含まれている窒素のことを指します。

硝酸態窒素は、体内で亜硝酸イオンに変化し、さらにアミンと反応してニトロソアミンなどニトロソ化合物を生成するとされます。

亜硝酸イオンは、血中の酸素を運搬するヘモグロビンに作用し、その働きを阻害するとされます。特に乳幼児が危険とされ、メトヘモグロビン血症(ブルーベビー症候群)の原因であるとされます。

ニトロソ化合物は、癌や生殖機能の低下、糖尿病を起こす潜在物質とされます。

具合の悪そうな女性のイメージ

農作物に関する硝酸態窒素の汚染は、世界的に問題視されて規制されていますが、日本では規制がありません。

一説では、畑に投入する肥料のうち、およそ半分が、そのまま河川や地下水に流れ出し、環境を汚染していくと言われています。
また、土壌に残っていたり、農作物にも過剰に移行したりしているとされています。

現時点で、日本の多くの湧き水や、流通しているミネラルウォーターの多くも、硝酸態窒素の汚染があります。

対策は、化学肥料(窒素肥料)の使用量を減らすこととされます。


3 土壌の劣化が進んでいる
農作物の慣行栽培を、戦後およそ70年続けた結果、土壌の劣化が進んでいます。
具体的には、土壌中の微生物が衰弱してしまい、土が固くなってしまったり、もはや農作物の栽培ができなくなってしまったりするような土壌が増えているとされます。

実は筆者も、農園を借りているのですが、ここの土も乾燥すると土がセメントのように固くなってしまいます。だいぶ改善はされてきましたが、まだまだイマイチです。で、だいぶ土が良くなってきたころに、農園を返すことになります。

農園のイメージ2

おそらくは、硫酸アンモニウムなどの化学肥料を使い、化学肥料の定着に石灰を使ったために、カチカチ土になったものと考えられます。

一説ですが、こうした土壌を分析してみると、以下のような場合が多いようです。

  • リンと窒素、カリウムが過剰
  • 亜鉛や銅、ホウ素などの微量ミネラルが不足
  • マグネシウムが過剰または不足
  • 微生物のバランスが崩れている(特定の微生物の過多や減少)

ミネラルバランスの悪い土壌で栽培すれば、できた農作物のミネラルバランスも、当然悪くなると思われ、その結果が、農作物の栄養価の偏りになって現われてきていると、筆者は考えています。


4 農業人口が減っている
現在、農業従事者が、高齢化の進展により廃業しています。

つまり、だんだんと国内で、食べるものが作れなくなりかねない状況が迫ってきています。

  • 農業従事者の平均年齢: 66.5才(平成25年)
  • 農業就業人口 : 239万人(平成25年)
    ※平成26年(概数値)は 227万人、ピーク時は1,454万人(昭和35年)

食糧自給は、日本の国としての存亡に関わる問題であると、筆者は考えています。

なお、日本の食糧自給率はおよそ40%程度で、一般的には低いとされていますが、これにはからくりがあります。

この数字は「供給熱量(カロリー)ベース」としたもので、世界でも日本だけでしか通用しないような指標になっています。そのため生産額ベースで見たほうがよく、こちらの指標では66%となっています。生産額ベースの食料自給率も、傾向としては、低下していっています。

従事者の推移を見る限り心配になってきますが、生産者1人あたりの生産量が増えていて、大丈夫なのでしょうか。
政府は、こうした状況を、TPP(海外からの輸入)で乗り切ろうと考えているのかもしれませんが、真相は分かりません。


5 政府がTPPの加入を進めている
TPPについて、皆さんはご存知でしょうか。

これについては、参考にするべきサイトがあるので、リンク先を参照するとよいと思います。

そうだったのか!TPP

ちなみにアメリカでは、家庭菜園で農作物を自給自足することが、現在すでに禁止されています。禁止されたのは、食品安全近代化法という法律によるとされます。

TPPに加入すると、日本においても、農作物の自給自足が禁止される可能性は高いです。また、安全な農作物が、手に入りにくくなる可能性も高いのではと筆者は考えます。

こうした状況も含めて、筆者もそうですが、事実を知って、勉強することが大切だと思います。


このほかにも、遺伝子組み換え作物の弊害など、いずれ調査していきたいと思っています。

自分には関係がない、必要ないと言われる方々は、ひとまず放っておいて、気づいた人から、できることをはじめていきましょう。

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