クシマクロビオティックスから見た、アルツハイマー病の原因と対応方法について説明します。
アルツハイマー病は、退行性の脳疾患とされ、神経線維がもつれて、堆積したりプラークになったりした蛋白質が脳組織に蓄積され、精神機能が低下するものとされます。
アルツハイマー病を含めた認知症として見ると、最大の危険因子は加齢とされます。
2010年の時点で、日本の65才以上の有病率は8~10%程度と推定されます。つまり、およそ200万人程度の患者がいるとされています。
また、日本での認知症の原因は、1980年代までは「脳血管性」が最も多いとされましたが、近年では「アルツハイマー病」が最も多いとされています。なお、「アルツハイマー病」は女性に、「脳血管性」は男性に多いとされます。
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アルツハイマー病は、記憶の喪失や当惑、混乱の症状が特徴で、挫折や困惑、劇的な気分の揺れ、肉体的および精神的能力を徐々に喪失するといったような症状が、付随して見られることが多いとされます。
最終的に、患者は意思の疎通ができなくなり、失禁症状が現れ、自分で身の回りの世話ができなくなるとされます。
生存年数は、数年から20年以上になることがありますが、平均では約7年とされます。
従来的医療では、アルツハイマー病は治癒不能とされ、病状の進行を遅らせて、気分の揺れを抑えるなどの目的で、医薬品が使われるとしています。
▼原因
アルツハイマー病の主要原因は、肉類や乳製品、卵などから、動物性脂肪や動物性蛋白質が、過剰に慢性的に摂取されたことによるもので、結果として神経や毛細血管が損傷されるとしています。
その次に挙げられる原因は、砂糖やチョコレート、はちみつなどの単糖類の過剰摂取であるとされます。
砂糖は、腸内のビタミンB合成に影響を与え、結果として脳の機能を損傷するとしています。また、脂っぽい食品やパン、パスタなどの精白小麦粉を使った製品、辛いスパイス類などの大量摂取、過食も、関連する要因であるとされます。
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実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法がありそうだということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。
ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
▼症状の解消
陰陽両極端が併合した症状のための、中庸の食事に従います。
標準的なマクロビオティック食事法を実践して、全粒穀物を毎食の主食とするようにします。
マクロビオティックの観点からすると、アルツハイマー病は、長期間に渡る食事の過剰分によって起きるとしています。
食べものが、陰性か陽性か、どちらかに偏ると、結果として思考や感情、精神機能に影響を及ぼすとしています。
そして、神経や神経中枢、脳細胞や組織が、硬直したり緩みすぎたりすると、思考力が失われるとされます。
脳や神経の有機的な構造や機能に、変化が見られはじめた場合には、完治は困難としていますが、初期の段階ならば、アルツハイマー病の発症を停止させ、進行した症状でも抑制可能で、回復に向かう場合も見られるとしています。
また、以下のような注意点や推奨される家庭療法があります。一部だけ紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。
- 麺類やパスタ、パン、その他の焼成食品を含めて、小麦粉製品は、症状が改善されるまで避ける。
- 味噌汁や様々な調理法で料理した新鮮な野菜類、少量の豆類や豆製品、海藻を毎日摂る。
- スパイスやその他の刺激物、アルコール類、その他の高エネルギー食品は避ける。これらは病状を促進する。
- 電気を使った調理器具や電子レンジで調理された食品は避ける。
▼留意点
- 大量のアルミニウムや亜鉛を摂取すると、アルツハイマー病の危険性が高まるとする医学的研究があります。この原因が主要な原因でないとしても、調理器具には、アルミニウム製ではなく、ステンレスや鋳鉄、陶磁器などの自然な素材を使うようにするとしています。
- 飲用や調理用の水には、自然な湧き水や井戸水、フィルターでろ過した水を使うとよいとされます。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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