クシマクロビオティックスから見た、過敏性腸症候群(IBS)の原因と対応方法について説明します。
過敏性腸症候群(IBS)は、腹痛や腹部の不快感、便通異常が長く続く症状で、腸などを検査しても明確な異常が認められないとされます。
症状には、慢性的な便秘や下痢の症状を含み、特に食後に腸がけいれんしたり、膨張したり、ガス(おなら)が出たりする症状を伴うとされます。大半の場合では、食欲は正常ですが、便通に数週間から数カ月に渡って無秩序な状態が続くとされます。
こうした症状は、食事によって誘発されるとされ、睡眠中には症状が出ないという特徴があるとされます。
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過敏性腸症候群(IBS)は、男性と比べて女性のほうがかかりやすいとされ、子どもにも起こり、成人期初期の段階で発症することが多いとされます。
便通の状態によって、次の3つの症状に分類されます。
- 便秘型
- 下痢型
- (便秘と下痢を交互に繰り返す)交代型
一般的に、男性では下痢型、女性では便秘型が多いとされます。
これらの症状の他に、頻繁にお腹が張ってガス(おなら)が出る、ガス型が分類されることもあるとされます。
この過敏性腸症候群(IBS)は、日本を含む先進国とされている国々に多い病気で、日本人の約10~15%程度に認められるとも言われ、消化器科を受診する全患者の3分の1を占めるほどの割合になっているとされています。
一般的には、ストレスを感じていたり、緊張した状態にあったりするとき、人生の大きな転機を経験した後に起きやすいとされます。
従来的医療では、過敏性腸症候群(IBS)は、一般的に、食物繊維などを多く摂る食事療法や運動療法などのライフスタイルの改善、様々な医薬品の投与(高分子重合体や消化管運動調節薬、漢方薬、乳酸菌製剤などの整腸剤、止痢(しり)薬、抗不安剤、抗うつ剤、その他)、カウンセリングなどの心身医学的治療が行われるとされます。
マクロビオティックの観点からすると、過敏性腸症候群(IBS)の主要原因は、極端な陰性または極端な陽性の要因によって起こり、陰陽両極端の要因が併合して起こっていることが多いとされます。
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実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。西洋現代医学のほかにも、対応方法がありそうだということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防の観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
▼症状の予防と解消
症状が発生した要因によって、以下のいずれかの食事指針に従います。
- 陰陽両極端の要因で起きた症状の場合、中庸の食事に従います。
- 陰性要因で起きた症状の場合、陰性傾向に対応した食事(標準食から陽の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)に従います。
- 陽性要因で起きた症状の場合、陽性傾向に対応した食事(標準食から陰の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)に従います。
なお次の注意点があります。一部だけ紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。
- 伝統的な東洋医学では、腸が健康なら、気分的にも安心感や幸福感が得られるものとされる。貧弱な食事と混沌とした生活様式は、突然の変化や困難、ストレスによって、過敏性腸症候群(IBS)にかかりやすくなる。
激しい運動ではなく、指圧やマッサージなど穏やかな身体活動をしたり、瞑想など精神的でスピリチュアルな活動を実践したり、毎日楽しい歌を歌ったりすると効果的。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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