代替医療について説明します。
代替医療とは、西洋医学以外の、伝統的に用いられてきた医療を指します。
代表的なものには以下がありますが、いわゆる西洋医学以外のすべてを指すので、怪しげなものも含めると、無数にあるのではと思います。
- 漢方や鍼灸などの東洋医学
- アーユルヴェーダ(インド伝統医学)
- カイロプラクティック
- マクロビオティックなどの食事療法
- 心理療法(サイコセラピー)
- アロマテラピー
代替医療の先進国とされている国はアメリカです。
アメリカは今や、代替医療の研究と実践を、官民一体で推進する「代替医療先進国」となっています。
アメリカでは、1990年代に入ってから代替医療が注目されるようになりました。その理由は、無保険で、治療費が高額になるために医療を受けられない人が、全人口の15%、およそ5000万人を占めていたという状況があったためと言われています。
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そのため、1992年にアメリカ国立衛生研究所(NIH)という、世界的な最先端医学の研究施設の中に代替医療事務局が設立されました。
2016年現在では、国立補完統合衛生センター(NCCIH)と改称され、補完医療と代替医療を科学的に研究しています。また、ハーバード大学医学部をはじめ、20校以上の大学に「代替医療研究センター」が設けられ、診療や教育、研究が行われています。
アメリカの代替医療の内容では、以下の事実があるようです。
1993年のハーバード大学の調査では、代替医療に支払われた医療費と、一般の西洋医学の病院に支払われた医療費は、以下となります。
- 代替医療に支払われた医療費の総額=年間137万ドル
- 一般の病院に支払われた医療費=年間128万ドル
つまり、1990年代前半の時点で医療費を見ると、すでに一般の西洋医学の病院を代替医療が追い越しているということになります。
また、1998年の調査でも国民の40%、150億ドルが代替医療に使われていることが確認されました。
とくに知識層において、病名の診察には一般医療施設を訪れ、治療には代替医療を用いるという傾向が強まっているということです。
わかりやすく言うと、西洋医学は、身体に現れた症状だけで判断し、病気になった部位を中心に治療する方法です。
一方、代替医療は、症状に囚われず、身体全体を見て治療する方法が多いと思います。また病気にならないようにするための予防医学としても、多くの治療があるものと思います。
日本でも、たとえば有名どころでは、安保徹教授の自律神経免疫療法やイシハラクリニック院長の石原結實先生などは、代替医療と言っていいのではないでしょうか。
日本では、31兆円余りの医療費のうち、約8兆円が薬剤の費用で、保険で使われている薬剤の価格が世界一高いと言われています。医療費の中で、薬剤費が飛びぬけて高いのです。日本の、その高額な薬剤費への支出を狙って、世界中の製薬会社が群がっているとも言われます。
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そして高額な薬剤を使った結果、治ればいいですが、西洋医学の対症療法で治らずに薬漬けになっている患者が多いのが、日本の状況ではないでしょうか。
筆者の祖母も、生前、薬を食べるように飲んでいました。
日本においても、代替医療もしくは補完的な代替医療を、より積極的に考えるべきではないかと、筆者は考えます。少なくとも、西洋医学で完治できない場合には、発想を転換していかないと、生存できないと思います。
最後にポイントをまとめます。
- 代替医療とは、西洋医学以外の伝統的に用いられてきた医療を指す。西洋医学は、身体に現れた症状だけで判断し、病気になった部位を中心に治療するが、代替医療は、症状に囚われず身体全体を見て治療する方法が多く、病気の予防的にも使われる。
- 代替医療の先進国はアメリカ。アメリカでは、1990年代前半の時点で医療費を見ると、すでに一般の西洋医学の病院を代替医療が追い越している。とくに知識層において、病名の診察には一般医療施設を訪れ、治療には代替医療を用いるという傾向が強まっている。
- 世界的に見て日本の薬剤費は高額。増え続ける医療費と、うまく治療できずに薬漬けになっている患者を鑑みると、より積極的に代替医療や補完的な代替医療の導入を考えたほうがよいと思われる。
まだまだ、なかなか近所で気軽に代替医療と言うわけにはいかないかもしれませんが、選択肢の1つに考えておきたいですね。
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