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タラソテラピー(海洋療法)について説明します。

タラソテラピー(海洋療法)とは、100年ほど前に、フランスの生理・生物学者であるルネ・カントンが発見した海水を使った自然療法とされ、現在でもオリゴエレマン(微量金属元素)療法やホメオパシーに受け継がれているとされます。

タラソテラピー(海洋療法)の具体的な治療としては、免疫力を高めるため、カントンの海水と呼ばれる、カントン自身が作った、ある条件のもとに集めた海水を、自然な製法で菌を取り除き、血液と同じ濃度に湧き水で薄めたものを、病気の人に注射したとされます。

海のイメージ

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なお、現在では、タラソテラピー(海洋療法)で使う「カントンの海水」は、医療には直接は使われていないそうです。しかしながら、ヨーロッパを中心に、健康補助食品として飲用されているそうです。

筆者は使ったことはありませんが、健康補助的な食品(?)としては、いいのではないかと思います。興味のある方は、使ってみてはいかがでしょう。

爆弾をうけた人には塩がいい、という話がありましたが、体内のミネラルバランスを整える上では、自然な海同様に、タラソテラピー(海洋療法)に効果がある可能性は高いのではないかと考えられます。明確な効果があるかは分かりませんが、情報として載せておきます。

カントンの海水と呼ばれる、タラソテラピー(海洋療法)で使われる健康補助食品には次の2種類があります。これらは、カントン研究所で製造されているとされます。
日本でも入手可能です。

1 カントン アイソトニック
ある特定の条件で採取された海水を、湧水で希釈して、フィルターでろ過し、アイソトニック状態(血液と同じ塩分濃度)に調整したもの。添加物や防腐剤は一切使われていない。

2 カントン ハイパートニック
ある特定の条件で採取された海水を、フィルターろ過などで処理したもの。添加物や防腐剤は一切使われていない。海水100%のサプリメント。

これらの健康補助食品と、まったく同じ成分を持ち、同じ製法で作られていた海水は、1982年以前には医薬品として認可され、幅広い適応症に対して使われていたとされます。
以前は医薬品であったものが、健康補助食品に変わった理由は不明です。

現実には、今でも、ヨーロッパでは多くの医師が、治療の補助的手段として、経口摂取を勧めているとされます。

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カントンアイソトニックが医薬品として使われていたころの適応症について、ルネ・カントンの海水療法 最強の免疫 武田 克之監修、日下部 喜代子著 日本文芸社より引用します。

1 乳幼児
胃腸炎、中毒症、栄養失調症、無食欲症、湿疹、出生前治療、未熟児

2 成人
貧血、無力症、過労、老化に伴うトラブル、妊娠中のおう吐、胃腸炎、便秘、赤痢、大腸菌尿、肺結核および肺以外の部位における結核、多発性硬化症

※禁忌
なし(副作用なし)

また、フランスの国営ラジオで、カントン100年祭に先立つ2004年8月に放送された「プラズマカントン」という2時間の特別番組では、フランスの名医とされるマルコ・パヤ教授が紹介した臨床例では、以下の効果も説明されたそうです。

  • アトピー性皮膚炎
  • 骨粗鬆症
  • 甲状腺機能低下

本を読む女性のイメージ

ここから、もう少し詳しく説明します。

現在では、体内における微量元素(オリゴエレマン)の重要性が、徐々に明らかになってきています。特定のミネラルが不足したり、過剰に蓄積したりしてしまうと、様々な病気の原因になることも、明らかになってきています。

ルネ・カントンは、体内と同じ完全なミネラルバランスを備えるものは、海水であると主張しました。海水には、約60種類の微量元素が溶け込んでいるとされ、人間はそれらすべての成分を必要としているとしています。免疫力の低下は、体のミネラルバランスの乱れであるとして、海水を使って、体内のミネラルを調整する自然療法を行いました。

はじめに、上記のような仮説をたて、綿密な実験によって海水と体内の内部環境の化学的特徴が同一であると実証し、1904年にフランス科学アカデミーで海洋理論「有機体の環境としての海水」を発表したとされています。

血液と海水を入れかえる動物実験を、公衆の面前で行ったそうです。

その後、ルネ・カントン自身はパリ市立病院で、患者を治療していたとされます。
19世紀末には、フランスの多くの医師が海水療法を行い、パリにも海洋診療所を開設して治療を行っていたそうです。当時、乳幼児に対して行われた海水注射は、パリでも年間10万人とされますが、そのあとは、一時廃れていたそうです。

1940~1950年代に、フランスで行われた研究などによると、海水の抗菌力として、次のことが明らかになっているとされます。

ふたたびルネ・カントンの海水療法 最強の免疫 武田 克之監修、日下部 喜代子著 日本文芸社より引用します。

・合成した海水には抗菌力はない

・海水の塩分濃度には無関係

・熱すると抗菌性は完全に消失する

・ろ過後あるいはシャンベルラン式フィルターの使用後でも抗菌力は消えない

・大腸菌類のようなグラム染色陰性菌に対してとくに活性化する

・腸の細菌に対して効果が早く、最も有効

・シカゴ地域では内陸湖岸より海岸部に病原菌が少ない

・海水中で病原菌を培養することは不可能

そして、ルネ・カントンの海洋理論が出版されてから100年めにあたる2004年に、フランスのパリでカントン100年祭が開催され、予防医療として再び注目されはじめているとされます。

懐や時間的な余裕がある方なら、フランスやドイツなど、タラソテラピー(海洋療法)の本場に行くのもいいかもしれません。

フランスやドイツなどタラソテラピーが盛んな地域では、海水浴や海岸での日光浴、海洋性食材を使った料理を食べるなど、海水や海洋全般を利用した自然療法をタラソテラピーと呼ぶそうです。

一方、日本ではエステティックサロンなどを中心にした、海藻のパックや海水に入って行う水中での体操、塩マッサージなどが、一般的なタラソテラピーとされてしまっている傾向があるようです。塩素で殺菌された海水を使っていることが多い模様で、本場とは異なっているため、余裕がある方は、実際に本場に行くことを筆者はお勧めします。

LCCなども一般的になっている世の中であることですし。

なお筆者の確認した書籍では、フランスのタラソテラピーセンターについての詳細情報の提供先として、フランス政府観光局が紹介されていました。

ほかには、日本タラソテラピスト学院で、自然療法のスペシャリスト教育として、フランスエステナチュロパシー協会認定教育プログラムをもとにしたカリキュラムが構成されているとされます。
ただし、Webサイトを見る限り、満足に稼働しているとも思えない状況になっていますが…。

最後にポイントをまとめておきます。

  • タラソテラピー(海洋療法)とは、100年ほど前に、フランスの生理・生物学者であるルネ・カントンが、体内と同一な、完全なミネラルバランスを持つ海水が、最強の免疫源(免疫力を最高に高める)ことを主張し、実証して実践していた自然療法。体内と同じ完全なミネラルバランスを持つものは、海水だけとされる。
  • タラソテラピー(海洋療法)で当時にも使われていた、カントンの海水と呼ばれる、2種類の製品が、現在でも健康補助食品として入手できる。今でも、ヨーロッパでは多くの医師が、治療の補助的手段として、経口摂取を勧めているとされる。
  • カントンの海水は、カントンが指示した特定の海域(ヴォルテックス現象という渦巻きが出現する地域)の水深30メートルで採取されたもの。この海域の中心に、ビオセノーズマリンヌ(海洋生物群集)現象が見られ、植物や動物のプランクトンが豊富に集まり、体内への吸収効率が極めて高いとされる。つまり、どこの海水でもいいのかというとNOである。また採取した海水を熱したりすると効果が無くなるなど、使用にも条件が存在する。
  • 海水自体に、病原菌の繁殖を抑える抗菌力のある物質や、複合物質のようなものが含まれているとされる。海水中では、病原菌の培養は不可能。
  • カントンの海水のような、ある条件のもとで集められ、ろ過などで処理された海水は、血液と交換できる可能性がある。

ルネ・カントンの海水療法 最強の免疫 完全なミネラルバランスだけが治癒力を促進する 日下部 喜代子著、武田 克之監修 日本文芸社

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