クシマクロビオティックスから見た、脳性まひ(CP)の原因と対応方法について説明します。
脳性まひは、子どもが受胎したときから生後4週間めの新生児期までの間に起こった脳の障害によって、永続的に運動や姿勢の異常を起こした状態とされます。
生後4週間め以降に起きた障害は、原因が分かりやすいために、脳性まひという病名ではなく、原因をもとにした障害名を付けることが多いとされます。
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脳性まひ(CP)の発生頻度は、一般的に1000人の出生あたり2人とされ、近年の新規患者数は年間で約2000人とされます。
しかしながら、この発生頻度は、出生体重によって次のように異なるとされるため、低体重での出生児に起きやすい疾患とされます。
- 2500g以上の出生児では、1000人の出生あたり約0.5人
- 1500g未満の極低出生体重児では、1000人の出生あたり約45人
- 1000g未満の超低出生体重児では、1000人の出生あたり約135人
脳性まひの原因は様々とされ、多くの場合で、複数の原因があるとされます。
特に早産の場合など、脳の血管が十分に発達しておらず出血しやすいために脳性まひを起こしやすいとしています。
原因の約20%は、分娩時の外傷や出生時前後での、脳への酸素供給の不足とされます。そのほか、風疹やトキソプラズマなどの胎内感染や、生後の髄膜炎や敗血症、外傷、脱水症なども原因になるとされます。
症状は、動きのぎこちなさを感じる程度の軽いものから、腕や脚がねじれて、装具や松葉杖、車椅子などが必要になる重いものまで、幅があるとされます。
脳性まひ(CP)の主な症状は、次のように分類されます。
- 痙直(けいちょく)型
患者の約70%を占める。筋肉が硬くなり、筋力が低下する。
両腕と両脚のまひがある四肢まひと、脚と下半身にまひがある対まひまたは両まひ、片側の腕と脚にまひがある片まひに分類される。
四肢まひでは、けいれんや嚥下障害、精神遅滞、知的障害がよく見られる。
対まひまたは両まひでは、精神発達は正常なことが多く、けいれんもまれ。
片まひでは、患者の4分の1が知能が平均より低いとされ、3分の1にけいれんが見られる。 -
アテトーゼ型
患者の約20%を占める。筋肉が不随意的に動く。
一般的には、知能は正常で、けいれんを起こすことはまれ。
言葉をはっきりと発音することが困難な場合が多い。 -
運動失調型
患者の約5%を占める。体のバランスがうまくとれず、動きが不安定で、筋力の低下やふるえが見られる。
こうした症状は、発達の遅れなどの形で、2才ごろまでに現われ、検診などで発見されることが多いとされます。
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脳性まひの小児は、ほとんどが死亡することなく、成人になるとされます。ただし、自身では何もできない、重症の脳性まひの場合には、平均寿命は短くなるとされます。
従来的医療では、脳性まひ(CP)は、次のような治療が行われるのが一般的とされます。
これらの治療の目的は、持っている運動能力を最大限に引き出して、自立性を高め、生涯に渡って維持させることとしています。
- 理学療法や作業療法、言語療法による訓練
- 装具の装着
- 筋肉の緊張を和らげるための治療(薬剤処方や外科的手術)
- 整形外科的な治療(動きを制限している筋肉の腱を、切断したり伸ばしたりするような外科的手術や、その他の整形外科的な治療)
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
▼原因
マクロビオティックの観点からみると、脳性まひ(CP)は、胎児期や新生児期、乳幼児期に、極陰性要因および極陽性要因にさらされた結果として起きるものとされます。
両親の卵子と精子の質が極度に悪かったり、妊娠期間中の母親の食事が極陰性であったり、離乳期に与えられた食事によって、損傷が起きるとしています。
主要な原因は、鶏肉など肉類の摂取とされ、これによって全般的な硬化が起こり、極端な場合には、筋肉が衰弱するとしています。
大半の場合で、極陰性な要因も関与し、特に砂糖やチョコレート、はちみつ、その他の菓子類、乳製品、その他の軽い乳製品*、小麦粉製品、トマトやジャガイモなど熱帯原産の野菜類、脂っぽい食品、スパイス類、コーヒーなどの刺激物、アルコール類、薬物、乳児用粉ミルクなどが含まれるとしています。また、レントゲン撮影やCTスキャン(コンピュータ断層撮影)、コンピュータ機器などの電磁波および放射線、食品や環境内にある化学薬品、毒物なども要因になるとしています。
▼症状の解消
陰陽両極端な症状に対応した、中庸の食事に従います。
損傷した脳の回復は不能ですが、バランスのとれたマクロビオティック食事法の実践によって、脳性まひの進行を遅らせたり、ある程度を抑制したり、場合によっては、ほぼ解消させたりすることができるとしています。
また以下の注意点があります。一部を紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。
- 毎日体を擦って摩擦する(ボディースクラブ)と、エネルギーの循環が促進される。
* 軽い乳製品:浮かび上がる性質や拡散する性質があるもの。たとえば生クリームやアイスクリームなど(極端に陰性傾向が強い)
重い乳製品:沈殿する性質や凝縮する性質があるもの。たとえばチーズなど(極端に陽性傾向が強い)。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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