クシマクロビオティックスから見た、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の対応方法について説明します。
筆者は、日本列島全体が地殻変動期に入ったのではないかと危惧しています。つまり、日本に住んでいる以上は誰にでも、地震などの災害によって、なってしまう可能性があると考えますので、対処法を見ておきたいと思います。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)とは、Post Traumatic Stress Disorderの略語で、命の危険に関わるような強いショック体験や強い精神的なストレスによって、心がダメージを受け、時間が経過した後も、怖かった経験の記憶に強い恐怖を感じるものとされます。
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PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、大地震や火山の噴火などの自然災害や火事、事故など、命の危険を感じたり、自分ではどうすることもできないような圧倒的な強い力にさらされたりして、強い恐怖感を伴う経験をした人に起きやすいとされます。また、PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、以前には戦争神経症とも呼ばれ、戦争から帰還した兵士に多く見られたとされます。
PTSD(心的外傷後ストレス障害)では、次のような症状が、1カ月以上に渡って持続します。
- 突然に怖かった体験を思い出したり、繰り返し夢に見たりする。
- 不安や緊張が続く。
- めまいや頭痛がある。
- 眠れない。
- 猜疑心を感じたり疑心暗鬼になる。
- 無感情になる。
こうした症状は、強い恐怖感を伴う経験をした人なら、経験の後にはほとんどの人に現われるものとされます。しかしながら、数カ月にも渡って同じような症状が続いたり、症状が悪化したりするようであれば、専門家の診断を受けたほうがよいとされます。
なお、大地震など大きな天災のときには、救護チームの一員としてカウンセラーが派遣されることもあるとされるため、こうした専門家に相談するのも1つの手段とされます。
従来的医療では、PTSD(心的外傷後ストレス障害)には、次のような治療が行われるとされます。
1 あえてトラウマになったような場面をイメージしたり、避けていた記憶を呼び起こすきっかけに身を置くようにする、持続エクスポージャー療法などの認知行動療法。
2 SSRI(Selective Serotonin Reuptake Inhibitors、選択的セロトニン再取り込み阻害薬)など、抗うつ剤の処方。
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法がありそうだということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。
ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
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▼原因
マクロビオティックの観点からすると、PTSD(心的外傷後ストレス障害)は、神経機能が衰弱し、古い記憶やイメージを、うまく処理したり廃棄したりできなくなった症状とされます。
正常な人の場合には、恐ろしい体験をしても、ある一定の期間を嘆き悲しんだあとには、それを克服できるとしています。その際には、家族や友人の理解や支援も重要とされ、自分で徐々に心の整理をしながら、日常生活に戻っていく術を習得するとされます。
こうした自然な治癒的経過をたどれない人は、潜在的な食事の不均衡が主要原因であるとしています。
過去への執着は、極陽性な症状で、肉類や塩味のチーズ、魚介類など動物性食品や、パンなどの小麦粉焼成食品、塩分の摂りすぎによって引き起こされるとしています。これらの食品は、脳内の血管も含めて、動脈や静脈を狭め、硬化させるとしています。
その一方で、動物性の脂っぽい食品は、血液や神経の細胞、その他の細胞組織を、脂肪と粘液で覆うとしています。
過去の不幸な出来事や記憶が、繰り返して脳裏をよぎったり、夢に現われてきたりするのは、まるで同じ場面を何度も繰り返して見るビデオのようなもので、粘り気のある食品によって、固着したイメージや行動が生まれる結果であるとしています。
こうした症状を解消するには、あらゆる動物性食品をやめることが肝心で、ハンバーガーやピザ、フライドポテトのようなファストフード、サラダドレッシング、マヨネーズといった脂っぽい食品や、その他の粘り気のある飲食物をすべてやめることが重要とされます。
また、症状によっては、他の臓器や機能に障害が起きていることもあるとされます。
うつは、低血糖症をはじめとした膵臓(すいぞう)機能の異常によることが多く、肺や大腸、腎臓に脂肪や粘液の堆積が見られることがあるとしています。恐怖症や偏執症、不眠などは、腎臓の硬化によって引き起こされるとしています。怒りや短気などは、肝臓や胆のうの不均衡によるものであり、猜疑心は、胃や脾臓(ひぞう)に問題がある場合が多いとしています。
▼症状の解消
陽性要因で起きた症状には、陽性傾向に対応した食事(標準食から陰の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)に従い、
陰陽両極端な要因で起きた症状には、陰陽両極端な症状に対応した食事に従います。
なお、臓器や機能に異常が見られる場合には、症状に応じて微調整するとしています。
ほかに以下のような注意点があります。一部だけ紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。
体内に蓄積された古い脂肪分を除去するため、次のようなニンジンとダイコンの飲みものを作って、1週間に3~4回、1カ月間飲む。その後は、少し頻度を減らして飲むとよい。
- ニンジンとダイコンを、それぞれ2分の1カップずつ、細かくすりおろして鍋に入れる。すりおろしたものは、長時間置いたままにせず、2カップの水を加えて静かに沸騰させる。
- 海苔を3分の1枚と、梅干し2分の1個を加えて、すりおろした野菜と一緒に約3分煮る。
- 野菜を煮たものに、醤油を数滴入れる。
瞑想やイメージ化、毎日楽しい歌を歌う、適度な軽い運動、ウォーキング、自然の中で過ごすことも効果があるとされます。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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