クシマクロビオティックスから見た、ストレスの原因と対応方法について説明します。
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法がありそうだということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
一説ですが、日本人の9割が、仕事でストレスを感じているといいます。
また働いている人だけでなく、いろいろな性別、年齢でストレスを感じている人もおられるかと思いますし、地震や豪雨などが起き、突発的にさらされるストレスもあることと思います。そうした時に、少し違った観点から、対処法を考えてみるのも悪くはないことではないかと思います。
ストレスは、現代社会に見られる特徴とされ、職場や家庭、学校、人間関係、その他の緊張や不安など、多くの肉体的、精神的疾患の要因として挙げられるとされます。
無力感や諦観などは、現代の生活速度に起因しているとされます。
一般的な症状としては、以下のようなものが見られるとされます。
- 頭痛
- 疲労感
- 消化吸収の異常
- 背中の痛み
- 首や肩の痛み
- 心配性
- 短気
- 集中力の欠如
- 食欲減退
- 過食や偏食
従来的医療では、抗不安剤の投与と合わせ、心理療法やグループ療法、その他のカウンセリングなどが実施されるとされます。
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▼原因
マクロビオティックの観点からすると、ストレスは、外部からではなく、内面から発症するものとしています。
たとえば、血糖値が下がると、締切や期限などの外部からの刺激要因が、ストレスを引き起こすとしています。このストレスは、体内の肉体的な状況や内臓へのストレス、膵臓（すいぞう）や肝臓をはじめとする臓器や機能の問題から発生しているとしています。
ふつう、健康な人ならば、多少の圧迫感を感じても、そうしたストレスを適切に処理していくことができるとしています。実際に、そうしたストレスで、機敏さや能率、生産性が向上し、判断力が研ぎ澄まされ、直感的に正しい方向性を目指していけるようになるとされます。こうなれば、疲れを知らずに、朝早くから夜遅くまで働くこともでき、時には短時間の休息を取ることがあっても、しっかりと安定し、自分が従事する物事に、多大なエネルギーを傾注できるとしています。
今日の人々は、座ったままの生活で軟弱に安楽に過ごし、車や電話、コンピューターなどの現代技術に依存しているために、いったんそれらの機器が故障したり、機能しなくなったりすると、まったくのお手上げ状態になってしまうとしています。
また、些細な批判を受けただけでも粉々に砕け散ってしまい、ごく簡単な物事でも処理不能になってしまうとしています。
大部分の場合で、日常生活においてストレスを経験する人は、極陰性な状態であり、血液の質が劣化し、内臓が衰弱して、ストレスをはねのけるエネルギーや活力が、たやすく欠乏してしまうとしています。この種のストレスは、内臓が膨張する結果として、外部から圧力がかかって起きるものであるとしています。組織や血管、臓器が、外部からの圧力によって、膨らんだ風船のように緊張して張りつめ、その結果として柔軟性や適応性が失われるとしています。
一方、別な場合として、特に低血糖症の患者の症状は、陽性要因の過剰によって起きたものとされます。動物性食品や焼いた小麦粉製品、塩分などの摂りすぎにより、膵臓（すいぞう）の硬化が引き起こされ、内部に下降する力や圧力が、血糖値を上昇させるグルカゴンというホルモンの分泌を制限するようになるとしています。
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▼症状の解消
大部分の極陰性な状態の場合、陰性傾向に対応した食事（標準食から陽の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正）に従います。
また、後者の陽性過剰な状態の場合、陰陽両極端が併合した症状のための、中庸の食事に従います。
また、以下のような注意点があります。
一部を紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。
- 陰性要因によって起きたストレスには、いくぶんか強力な料理や調理法を使うことが望ましい。特に餅が効果的で、フライパンで焼いたり、オーブンで焼いたり、味噌汁に入れたりして摂るとよい。
- 陽性要因によって起きたストレスには、やや軽めの料理や調理法を使うことが望ましい。たとえば、オオムギやトウモロコシ、青菜などを頻繁に摂るとよい。
- 陰陽両極端によって起きたストレスには、甘い野菜のドリンクを、毎日、1カ月間飲むとよい。その後、2カ月めには、1日おきに飲むと、血糖値が安定し、不平不満や気分の揺れが緩和され、膵臓（すいぞう）などの内臓にかかった圧力が解消される。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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