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クシマクロビオティックスから見た、肺疾患の原因と対応方法について説明します。

肺は、呼吸器系組織の主要な臓器で、せきや風邪から、喘息によるうっ血や気管支炎などの中程度の症状、急性肺炎や胸膜炎(肋膜炎)、結核、肺癌など重症のものまで、さまざまな症状があるとされます。

以前は、肺気腫と慢性気管支炎と呼ばれていた症状は、2つの症状が様々な割合で合併して現われることが多いとされ、現在では慢性閉塞性肺疾患(COPD)と呼ぶようになっています。

呼吸器系疾患の患者数を見ると、70才以上の死因で肺炎が多くなっています。
もっともよく見られる症状は、鼻腔や副鼻腔の閉塞とされます。

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健康的な食生活と生活様式の実践は、呼吸器疾患の主要原因となる、肺や副鼻腔に堆積した粘液を除去して、呼吸器系の臓器の健康を取り戻すために役立つとしています。

なお、癌の肺癌と、感染症の結核についてのコンテンツも参照することとされます。

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実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。

▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。


1 症状

肺疾患では、以下のような症状が見られるとしています。

  1. せき
  2. 浅い呼吸や呼吸困難
  3. 胸に痛みがある
  4. 呼吸器系に感染症がある
  5. 胸部に痛みがあったり硬化したりした場所がある
  6. 頬が青白く、やや膨れている
  7. 両肩が、丸く縮まって緊張している
  8. うなだれたような姿勢になっている

また、伝統的な東洋医学では、肺は頬と関連性があると考えられ、次のような症状が見られたときは、肺に疾患が起きているとされます。

  1. 頬に吹き出物ができた
    乳製品や砂糖などによって、脂肪や粘液が肺に蓄積していることを示す。
  2. 頬が白い
    肺に過剰な乳製品が蓄積されていることを示す。
  3. 頬が赤い
    果物や果汁、スパイス類、砂糖、刺激物などの摂りすぎで、肺の毛細血管が働きすぎていることを示す。
  4. げっそりとして引き締まりすぎた頬
    塩分や魚介類、肉類、焼いて乾いた食品の摂りすぎを示す。
  5. 頬に縦じわがある
    血行不良や気嚢の収縮、頬の筋肉の硬化を示す。
  6. 頬にほくろがある
    過去の、肺の発熱を示す。
  7. 頬にあざがある
    蛋白質や脂肪の摂りすぎを示す。
  8. 便秘など腸に問題がある
    肺の働きすぎに関連している。
  9. 肺の経絡に沿って、変色や傷、硬化、緩みなどが見られる
    肺に疾患が起きていることを示す。
    肺の経絡は、胃から大腸、肺、のど、肩を通り、腕の内側を下って、手の親指の間のしわ、人差し指から親指のつめの外側に至っている。
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2 原因

  1. 大半の呼吸器系疾患の主要原因は、長期間に渡る食事の不均衡とされます。

    大気の汚染や喫煙、環境中の化学薬品や毒物への曝露も一因とされますが、こうした影響を潜在的に受けやすくするのは食事としています。

  2. 肺は、人体の上部に位置して、地面からの拡散力の影響が見られ、構造的に、とても収縮した臓器であり、天からの力も受けているとされます。

    結果として、肺は、天と地の両方のエネルギーを引き寄せて、両方の極端な食品によって損傷される可能性があるとしています。

    こうした食品としては、肉類や卵、乳製品、精白小麦粉、砂糖、脂肪、果物や果汁、焼いた製品、アルコール類、刺激物、化学薬品、薬物が含まれるとしています。

  3. 酸性の食品や粘液を生み出す食品、脂っぽい食品は、肺に、余剰分の蓄積を引き起こす可能性があるとしています。粘液は、肺の気管支や気嚢、毛細血管を覆ってこびりつき、長期間付着するとされます。

    とくに乳製品が粘液を作り出す食品としていますが、ほかにも硬く焼いた小麦粉製品や精白小麦粉などがあるとされます。

  4. 肺に脂肪や粘液が詰まって、とくに乳製品の摂取によって蓄積が生じると、喫煙により、ずっしりと重いニコチンやタールなどの炭素化合物やその他の微粒子が肺に溜まりやすくなるとし、臓器を刺激して、腫瘍の形成につながるとしています。

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3 個別の症状について

3-1 喘息
3-2 気管支炎
3-3 せき
3-4 肺気腫
3-5 肺炎
3-6 胸膜炎(肋膜炎)


4 症状の解消
個別の症状について のそれぞれの記載に従い、以下の項目に留意します。
一部を紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。

  1. 毎食の主食として全粒穀物を摂る。
    肺には、とくに玄米が有効で、圧力なべや無圧なべで炊いたり、炒めご飯にしたり、おむすびにしたり、様々な料理で摂るとよい。
    ライ麦にも効果があるので、少量ずつ摂るとよい。玄米とライ麦を一緒に摂るのがとくによい。
  2. 硬く焼き締めた小麦粉製品は、粘液を生み出し、肺を詰まらせるため、症状が改善されるまでは避けるか最小限に抑える。
    どうしても欲しいときは、イーストを使わないサワードウブレッド*1を少量摂ってよい。
    症状がそれほど収縮した状態でないときは、セイタン*2など、小麦粉のグルテンを適量摂ってよい。
  3. 黒豆は、とくに肺によい。
    症状によっては、厚揚げ豆腐やテンペも、味噌や納豆などと同様に摂ってよい。
  4. からし菜やパセリ、クレソンなど、小型で縮まった青菜がよい。
  5. ゴボウやニンジン、ダイコン、赤カブ、自然薯(ヤマイモ)といった根菜類は、肺に滋養を与える。
  6. ブロッコリーやカリフラワー、芽キャベツも、肺疾患に効果的。
  7. ハスは、根の部分も実の部分も含め、肺疾患にとくに効果的。

5 留意点

  • せきで肺から出血し、吐血したときは、緊急な医療処置が必要である。至急、現代的医療を受診すること。
  • 胸部レントゲン撮影やマンモグラフィー、CTスキャン、MRIなど、先端技術による診断が必要なこともあるが、実施により衰弱する可能性があるため、できるだけ避けるか最小限に留める。

    *1 サワードウ・ブレッド(sourdough bread):
    サワードウ(天然酵母)を使ったパン(サワードウ・ブレッド、サワーブレッド)は特有の強い酸味と風味を持っている。小麦やライ麦の粉と水を混ぜてつくる生地に、乳酸菌と酵母を主体にして複数の微生物を発酵させた、伝統的なパン。

    *2 セイタン(seitan):
    小麦から取りだされたグルテン(蛋白質)を主原料とした加工食品で、マクロビオティックでは肉の代わりに使われる。グルテンミートと呼ばれることもある。海外では、セイタンという名称が一般的。グルテンを主原料にした食品は、ほかに麩が有名。


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