クシマクロビオティックスから見た、重症筋無力症の原因と対応方法について説明します。
重症筋無力症は、末梢神経と筋肉の接合部で、筋肉側(信号を受ける側)にあるいくつかの分子に対して自己の抗体が生み出される自己免疫疾患とされ、神経から筋肉に信号が伝わらなくなるために筋力が低下するとされます。
自己の抗体の標的として頻度が高いのは、アセチルコリン受容体で、全体の約85%を占めるとされます。
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重症筋無力症の症状としては、次のようなものがあるとされます。
- 全身の筋力低下。
- 疲労しやすい(易疲労性<いひろうせい>)。たとえば、ものを噛むだけで疲れてしまう。
- 朝は症状が軽くなり、夕方に症状が重くなる(症状の日内変動)。
- まぶたが下がって眠そうな顔になる(眼瞼下垂<がんけんかすい>)。
- ものが二重になって見える(複視)。
重症筋無力症は、眼だけの症状は眼筋型で、全身に症状があるものは全身型とされますが、重症化した場合、呼吸筋がまひして、呼吸困難になることがあるとされ、厚生労働省の特定疾患に指定されている難病とされます。
重症筋無力症は、2006年の全国調査によると、日本の患者数は約15000人で、女性に多い病気とされ、発症は、約7%が5才未満で、女性では30~50才台、男性では50~60才台にピークがあるとされます。
従来的医療では、重症筋無力症は、次のような治療が行われるのが一般的とされます。
- 根治を目指す治療法
抗体の産生を抑制したり取り除いたりする免疫療法。ステロイド薬や免疫抑制薬の投与や、抗体を取り除く血液浄化療法、大量の抗体を静脈内に投与する大量ガンマグロブリン療法などがある。 - 対症療法
神経から筋肉への信号伝達を増強させるコリンエステラーゼ阻害薬の投与。
その他に、胸腺腫を合併している場合など、外科的に胸腺を切除する手術などがあるとされます。
治療の結果、患者の約半数は、日常生活に支障がない生活ができるとされますが、治療が不要になる人は約6%程度で、残りの人は治療を継続したままとされます。また、患者の約10%は、治療を行ってもあまり改善されないとされます。
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
▼原因
マクロビオティックの観点からみると、重症筋無力症は、両極端な食事要因の併合から引き起こされるとしています。
極陽性と極陰性な飲食物を組み合わせて摂りすぎると、筋肉は収縮力を失って、神経組織を傷つける抗体を作り出すようになるとしています。
この症状を解消するためには、脂肪酸やコレステロールを多く含む動物性食品の摂取を全てやめ、同時に、症状が改善されるまでは、精白小麦粉や精白小麦粉を使った製品、砂糖、砂糖を含む菓子類、熱帯産食品、刺激物、スパイス類、アルコール類、薬物、油、果物、果汁、木の実などの摂取を制限するとしています。
特に、ナスやトマト、ジャガイモなどのナス科植物が症状を促進させ、アスパラガスや生のキノコ、イチジクなどが症状を悪化させるとしています。
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▼症状の解消
陰陽両極端な症状に対応した、中庸の食事に従います。
また以下の注意点があります。一部を紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。
- 毎日体を擦って摩擦する(ボディースクラブ)と、エネルギーの循環が促進される。
▼留意点
- 生命の危険が伴う呼吸作用の合併症には、緊急な医療処置が必要である。まずは至急、医療機関を受診すること。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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