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クシマクロビオティックスから見た、筋ジストロフィーの原因と対応方法について説明します。

筋ジストロフィーは、筋肉の機能を正常に働かせるために必要な遺伝子の1つ以上に異常があるために、骨格筋の壊死と再生を主な病変として、様々な筋力低下を起こす遺伝性筋疾患の総称とされ、厚生労働省で指定されている難病とされます。

筋ジストロフィーには、多数の疾患が含まれるとされますが、そのどれもが、筋肉の機能に不可欠な蛋白質の設計図になる遺伝子に、異変が起きたために起きているとされます。遺伝子に異変が起きると、蛋白質の機能が阻害され、細胞の正常機能が維持できなくなるために、筋肉の壊死が起こり、筋委縮や脂肪化、線維化が生じて、運動機能をはじめとした機能に障害が出るとされます。

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筋ジストロフィーの患者数は、日本では正確な統計はありませんが、地域での調査や海外の文献などを参考にした有病率の推計では、人口10万人あたり17~20人とされます。

筋ジストロフィーは、近年、遺伝子異常が明らかにされ、研究が急速に進歩しつつある分野で、責任遺伝子の解明が進むと分類方法が見直される可能性が高いとされますが、当サイトでは、2016年時点で一般的な分類をもとにして説明します。

筋ジストロフィーは、遺伝形式によって分類され、最も患者数が多いのが、次の2つとされます。

  • デュシェンヌ型
    ほとんど男児に発症する。
    胴体に近い部分の筋肉で筋力低下を起こす。小児期に発症し、12才ころまでに車椅子生活となって、ほとんどの場合で20才までに死亡するとされる。
    歩きはじめるのが遅いなどの発育遅延や、足取りがおぼつかないなどの症状が2~3才ころから見られるようになり、肩の筋力低下が出て、徐々に悪化していく。また、心筋も肥大化して筋力が低下していくために、心拍の異常が出る。腕や脚の関節の周りの筋肉が委縮し、肘や腕が伸ばせなくなって、脊椎が異常に曲がる(脊柱側弯症)。肺炎などの合併症にかかりやすくなる。
  • ベッカー型
    ほとんど男児に発症する。
    胴体に近い部分の筋肉で筋力低下を起こす。筋力低下はデュシェンヌ型ほど重度ではなく良性型とされる。12才ころ発症して筋力低下を起こすが、青年期に車椅子生活になることは稀で、ほとんどの場合で30~40才ころまで生存するとされる。

ほかにも、稀な筋ジストロフィーのタイプがいくつかあるとされますが、どれも遺伝性のもので、筋力低下を起こすとされます。そのため、筋ジストロフィーの患者がいた家系では、胎児の出生前診断を行うことがあるとされます。

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従来的医療では、筋ジストロフィーは治癒不能とされますが、次のような治療を行うのが一般的とされます。

  1. 理学療法などによる訓練やリハビリテーション
  2. 装具の装着
  3. 筋肉を改善するための治療(プレドニゾロン*1などコルチステロイド薬やサプリメントの処方)
  4. 合併症である心不全や呼吸不全の治療(人工呼吸器の治療など)

そのほか、デュシェンヌ型筋ジストロフィーの遺伝子治療がはじめられることになるなど、近年、遺伝子治療の研究が進められているとされます。

実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。

▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。

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▼原因

マクロビオティックの観点からみると、筋ジストロフィーのような遺伝的または生まれつきの傾向は、両親や祖父母、先祖代々に渡って受け継がれてきた生活法や、中でも食事によるものであるとしています。

筋ジストロフィーは、極端な食事要因によって引き起こされ、大量の鶏肉や卵、肉類などの陽性食品、砂糖やチョコレート、はちみつ、その他の精製甘味料、乳製品、その他の軽い乳製品*2、精白小麦粉製品、大量の果物や果汁、熱帯産食品、スパイス類、水分の過剰摂取、その他の陰性食品が含まれるとしています

特に、家禽類などの動物性蛋白質や脂肪の摂取は、手足の筋肉を収縮させて、症状の進行を早めるものとしています。中でも、鶏肉は、腕や肩、脚の筋肉で、収縮や衰弱につながるために、厳密に避けることとしています。

筋ジストロフィーの中でも、脚からはじまったものは陽性な症状であり、手の先や手足の上部からはじまったものは陰性な症状とされます。


▼症状の解消

極陰性な要因によって起きた場合には、陰性傾向に対応した食事(標準食から陽の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)、極陽性な要因によって起きた場合には、陽性傾向に対応した食事(標準食から陰の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)に従います。

完治は不能であったとしても、バランスの取れたマクロビオティック食事法の実践によって、筋ジストロフィーの症状を改善できるとしています。

また以下の注意点があります。一部を紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。

  • 毎日体を擦って摩擦する(ボディースクラブ)と、エネルギーの循環が促進される。

 

*1 プレドニゾロン:
プレドニゾロンは、ステロイドと呼ばれる合成副腎皮質ホルモン剤の1つで、抗炎症や抗アレルギー、免疫抑制など様々な作用がある。従来的医療では、内科や外科、小児科を含む各科で、様々な医療行為に使われる。
対象となる症状や薬の量、内服した期間などにより様々に異なるが、主に次のような副作用があるとされる。そのため自己判断で服用をやめないようにし、異常の際は医師への相談が必要。

  • 免疫力の低下
  • 骨粗鬆症
  • 糖尿病
  • 消化管の潰瘍
  • 血栓症
  • 精神症状
  • むくみやムーンフェイス(満月様顔貌)
  • 動脈硬化、高脂血症
  • 高血圧症
  • 白内障
  • 緑内障
  • その他(副腎不全やにきび、骨壊死など)

*2 軽い乳製品:
浮かび上がる性質や拡散する性質があるもの。たとえば生クリームやアイスクリームなど(極端に陰性傾向が強い)。
重い乳製品:沈殿する性質や凝縮する性質があるもの。たとえばチーズなど(極端に陽性傾向が強い)。


THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス

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