クシマクロビオティックスから見た、痛風の原因と対応方法について説明します。
痛風は、関節の腫れや痛みが特徴で、特に足の親指の付け根によく見られ、時には膝や肘、親指、その他の指にも見られるとされます。
最もよく見られる、足の親指の痛みが出る部分は、膵臓(すいぞう)と肝臓の経絡が執着する場所に当たるとしています。
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この痛風の痛みは強烈で、耐えがたいほどの痛みが発作的に出現するとされます。痛みは、夜間に突然起き、周期的に痛むのが一般的とされます。
痛風が起きる前には、血液の尿酸値が高い状態が続く、高尿酸血症になっているとされます。性別や年齢に関わらず、血清の尿酸値が7.0mg/dlを超えると、高尿酸血症と診断されます。
ほとんどの症状が、中年の男性に見られるとされ、特に肥満や高血圧を伴うことが多いとしています。
従来的医療では、抗炎症剤や尿酸の排出促進、尿酸の産出を抑制する薬剤の投与や、コルチステロイド注射、食事制限などが行われるとされます。
マクロビオティックの観点からすると、痛風は、肉類やその他の動物性食品の過剰摂取と、ワインなどのアルコール類やチーズ、こってりしたソース、砂糖を使った焼き菓子、清涼飲料水、アイスクリームなど冷やしたり凍らせたりした飲食物など、陰陽両極端な食事の組み合わせで起きるとされます。
陰陽両極端のエネルギーが組み合わさると、手足や耳たぶといった、筋肉の柔らかい部分に尿酸の結晶が形成されるとしています。これらは、腎臓や膀胱、胆のうにできる結石と類似した物質であるとしています。
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。
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▼前提
致命的な症状が疑われる場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。
ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
▼症状の予防と解消
陰陽両極端が併合した症状に対応する中庸の食事に従います。
なお以下の注意点があります。一部を紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。
- 短粒の玄米を主食として、雑穀を2次的な主食穀物として摂る。オオムギや生のトウモロコシも時々食べてよい。
- クッキーなど、硬く焼き締めた食品は避ける。イーストを使わず、精白していないサワードウ・ブレッド*1は、週に2~3回食べてよい。その際は、蒸して食べることが望ましい。
- うどんは週に2~3回食べてよいが、蕎麦は症状が改善されるまでは避ける。粒蕎麦とセイタン*2は、排毒を加速させるため、避けるか最小限にする。
- 味噌汁は、ワカメと様々な野菜類を入れて、毎日飲むようにする。
具の野菜にはダイコンやシイタケ、緑の葉物が特に有効である。 - 動物性蛋白質や脂肪は、この症状の潜在的要因であるので、避けるか量を制限する。どうしても欲しいときは、白身魚を、蒸したりゆでたり、スープに入れたりして、適当な付け合わせを添えて、1週間に1~2度食べてよい。
*1 サワードウ・ブレッド(sourdough bread)
サワードウ(天然酵母)を使ったパン(サワードウ・ブレッド、サワーブレッド)は特有の強い酸味と風味を持っている。小麦やライ麦の粉と水を混ぜてつくる生地に、乳酸菌と酵母を主体にして複数の微生物を発酵させた、伝統的なパン。
*2 セイタン(seitan)
小麦から取りだされたグルテン(蛋白質)を主原料とした加工食品で、マクロビオティックでは肉の代わりに使われる。グルテンミートと呼ばれることもある。海外では、セイタンという名称が一般的。グルテンを主原料にした食品は、ほかに麩が有名。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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