クシマクロビオティックスから見た、前立腺癌および睾丸の癌(精巣癌)の原因と対応方法について説明します。
前立腺癌は、日本で、罹患率が急上昇しており、近いうちに癌死の上位になるのではないかと考えられているそうです。筆者の周りでも、近年、60才以上の男性で複数の話を聞いています。
これまで、前立腺癌は、アフリカ系アメリカ人に多く見られる一方で、アジアやアフリカ、発展途上国では少ないとされてきました。しかしながら、日本の前立腺癌の患者数は、2011年の調査で約18万人、罹患者数は約7万8700人で、男性だけを見ると、胃癌に次いで2番目に多くなっており、ここ20年を見ても右肩上がりで上昇しています。
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大部分の前立腺癌は、症状の進行が遅く、数年間も何の症状も見られずに静止状態のままであることも多いとされます。しかしながら、まれに症状の進行が早く、膀胱や直腸に転移して、リンパから骨、肝臓、肺など、あらゆる部位に広がっていくものがあるとされます。
前立腺癌に対して行われる、現代的な標準の治療は、前立腺および周囲のリンパ節を切除する手術療法や放射線療法、内分泌療法(ホルモン療法)などがあり、これらの治療法を単独または組み合わせて行うことが多いとされます。
また睾丸癌(精巣癌)は、罹患率は10万人に1人程度で比較的まれとされる癌ですが、発症のピークが20才から30才台で若年者に多く、20~30代の男性では最も多い固形腫瘍(白血病などの血液腫瘍以外の腫瘍)とされています。
左側よりも右側の睾丸に起きやすく、肺や肝臓、骨、脳に転移しやすいとしています。
睾丸癌(精巣癌)に対して行われる、現代的な標準の治療は、化学療法や睾丸の片側もしくは両方の切除手術が行われるのが一般的であるとされます。
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
▼原因
1 前立腺癌
前立腺は、身体の下部にあり、内部の奥深くに位置しており、エネルギー的な観点からすると、前立腺癌は、極めて陽性な疾患に分類されるとされます。
主要原因は、動物性蛋白質や脂肪の摂りすぎで、特に肉類や卵、チーズ、エビやカニなどの甲殻類、ホタテ貝やその他の魚介類によるものとしています。
また、パンやクッキー、クラッカー、チップスなど、硬く焼き締めた小麦粉製品や塩気の強い食品も、陽性な収縮過剰の症状を引き起こす要因とされます。
砂糖や乳製品、スパイス類、コーヒーなどの刺激物、アルコール類などの極陰性食品も、直接の原因ではないが、腫瘍の成長を促進させるために、厳密に避けることとしています。
2 睾丸癌(精巣癌)
睾丸(精巣)は、前立腺の外側に位置し、動物性脂肪や乳製品など極陰性食品が主要原因であることが多く、大半の睾丸癌(精巣癌)は陰性な症状であるとされます。
主要原因は、動物性食品の過剰摂取で、特に魚の卵や塩気の強い肉類、チーズなどの濃縮された乳製品、高脂肪で高コレステロールな甲殻類や魚介類、フライドポテトなどの脂っぽい食品とされます。
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▼症状の解消
前立腺癌および陽性な睾丸癌(精巣癌)では、陽性傾向に対応した食事(標準食から陰の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)に従います。
また、陰性な睾丸癌(精巣癌)では、陰性傾向に対応した食事(標準食から陽の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)に従います。
ほかにも注意点や特別な料理や飲みもの、外側からの家庭療法など、多くの対応方法が紹介されています。一部だけ紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。
- 乳製品や魚介類を含めた動物性食品は摂らない。
ただし、どうしても欲しいときは、少量の白身魚を10~14日間に1回だけ食べる。その際、鮭などの濃い色の魚や魚介類は、厳密に避ける。 - パンなど、硬く焼きしめた小麦粉の製品は、2~3カ月間または症状が改善され始めるまでは摂らない。硬く焼きしめた小麦粉の製品は、全粒小麦粉を使ったサワードウ・ブレッド*1 も含めて避けること。
- 炒ったり焼いたりした食品を避ける。
- 蕎麦(そば)類やセイタン*2は、すべて摂らない。治療をはじめた最初の1カ月間は、全粒のオート麦やオートミールは避ける。
- ダイコンと梅干し、シソを入れた玄米の重湯を、薄めて飲むとよい。
玄米の重湯とは、玄米を炊いたときにできる上ずみの液体を指す。
約2週間、小さな器に1~2杯ずつ毎日摂り、その後の1カ月は、1週間に3~4回摂る。 - 切干大根とダイコンの葉、シイタケのお茶を飲む。3週間、毎晩1杯ずつ飲み、その後は、時々飲むとよい。
- 長ネギを入れた味噌雑炊、1週間に2~3回摂るとよい。
- 痛みがある場合、梅しょう番茶を週に1~2回飲む。番茶の代わりにくずを使った梅しょうくずにすると、鎮静効果がある。
*1 サワードウ・ブレッド(sourdough bread)
サワードウ(天然酵母)を使ったパン(サワードウ・ブレッド、サワーブレッド)は特有の強い酸味と風味を持っている。小麦やライ麦の粉と水を混ぜてつくる生地に、乳酸菌と酵母を主体にして複数の微生物を発酵させた、伝統的なパン。
*2 セイタン(seitan)
小麦から取りだされたグルテン(蛋白質)を主原料とした加工食品で、マクロビオティックでは肉の代わりに使われる。グルテンミートと呼ばれることもある。海外では、セイタンという名称が一般的。グルテンを主原料にした食品は、ほかに麩が有名。
*THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
*マクロビオティック自然療法 久司道夫 日貿出版社
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