クシマクロビオティックスから見た、黄斑変性(加齢黄斑変性)の原因と対応方法について説明します。
黄斑変性は、眼の奥にある網膜の中心にある、直径6mm程度の範囲である黄斑(おうはん)と呼ばれる部分が、加齢などのために様々な異常をきたして、見ようとしたところが見えにくくなり、視力が低下していく病気とされます。
黄斑は、ものを見るときに、最もいい視力が出るとされている部分で、この部分で文字を読んだり、色の判別を行ったりしているとされます。この網膜の中心部にある黄斑に異常が出ると、視野の真ん中に症状が現われ、ものがゆがんだり、小さくなったり、暗くなったりして見えるようになり、色も分からなくなってくるとされます。
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片側の目だけに黄斑変性の症状が起きたときには、視力が低下していても気付きにくいことがあるとされます。
アメリカでは、失明原因の第1位であり、とても多い病気とされますが、これまで日本ではそれほど多くないと考えられてきました。しかしながら、高齢化の進展と生活スタイルの欧米化によって、近年、日本でも増加しており、失明原因の第4位になっているとされます。
50才以上の人では、約1%に見られるとされ、高齢になればなるほど多く見られるとされます。2011年の黄斑変性の推定患者数は、約70万人とされ、直前の9年間で約2倍に増えているものと推定されています。
黄斑変性は、女性よりも男性に約3倍多く見られます。また、黄斑変性の危険因子としては、喫煙が挙げられます。
黄斑変性の種類や症状を、大きく分けると、次のようになります。
- 萎縮型
徐々に黄斑が痛んで弱っていくもので、黄斑に萎縮した病巣ができて障害されるタイプ。急に視力は落ちず、ゆっくりと視力が低下していくのが特徴。
従来的医療では、有効な治療法はないとされる。
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滲出型
網膜の下に異常な血管が生じた結果、そこから水が滲みだしたり、出血が生じたりして黄斑が障害されるタイプ。急激に症状が進んで、視力が落ちてしまうのが特徴。
従来的医療では、新しい血管を作る因子を抑える抗VEGF薬(抗血管内皮増殖因子薬)を、眼の中にある硝子体に注射する治療や、新しい血管を詰まらせるために行う、薬品とレーザーを使った光線力学療法が一般的とされる。
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マクロビオティックの観点からすると、黄斑変性は、全般的に陽性な、視界の中央部の欠損を引き起こす、陰性な疾患として捉えられるとされます。
余剰分の脂肪や粘液が、網膜の下部に堆積する結果として、損傷が生じ、焦点がぼやけはじめるとしています。
乾性の萎縮型の場合、やや陽性な状態で、動物性食品や焼き締めた小麦粉製品、塩分のような極陽性要因が、砂糖や菓子類、乳製品、スパイス類、熱帯産野菜、大量の油分、果物、果汁、アルコール類、薬物などの極陰性な飲食物と合わせて摂取されたときに引き起こされるとしています。
湿性の滲出型の場合、大部分で、拡散性のある陰性の過剰と、陽性要因の不足から引き起こされるとしています。
どちらの症状の場合も、マクロビオティック食事法の実践によって、症状の進行が抑えられ、いくぶんか回復の兆しが見られるようになるとしています。
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状や失明など、重大な障害が疑われる場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防の観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
▼症状の予防と解消
陰性要因の過剰によって起きた場合には、陰性傾向に対応した食事(標準食から陽の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)、陰陽両極端な要因によって起きた場合には、中庸の食事に従います。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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