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クシマクロビオティックスから見た、肝臓疾患の原因と対応方法について説明します。

肝臓は、代謝(栄養分の分解や合成)や解毒、消化液である胆汁の生成などを行う重要な臓器で、一説には500種類以上の働きをしているとも言われ、血液中の毒素をろ過したり、胆汁を分泌して運搬したり、血糖値を調整したり、炭水化物と脂肪、蛋白質を相互に変換したりなど、様々な働きをしているとされます。

また、沈黙の臓器とも呼ばれ、ダメージを受けても黙々と働き続けるために、病気になっていることに気づきにくいとされます。症状が出てきたときには致命的になっていることもあり、注意が必要です。

肝臓は、疾患によって臓器の85%が壊れたとしても再生できるとされ、元に戻る力を持っています。ラットなどでの実験では、肝臓の3分の2を切除しても、1週間ほどで元に戻るそうです。

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肝臓で気をつけておくべきなのは、家庭で使われる風邪薬(解熱鎮痛剤)を服用しているときに、アルコールを飲むことで発生するアルコール・アセトアミノフェン症候群です。日本では、軽い風邪などでも、気軽に薬を飲む方も多いため、注意が必要と思います。

アルコール・アセトアミノフェン症候群は、風邪薬(解熱鎮痛剤)の成分であるアセトアミノフェンとアルコールを同時に摂取した場合に発生し、欧米ではよく知られている重い肝臓障害で、死亡する危険性もあるとされます。

肝臓疾患では、肝炎や黄疸、肝硬変、肝臓癌のほか、強い感情の変化と異常な行動などの症状が、肝臓に関連した症状とされます。

肝臓が正常であれば、温和で忍耐強い気質や勇気、持久力、目標に対するビジョンを持つこと、冒険心を持つなどの性質が失われずに備わっているとしています。

バランスの取れた全粒穀物や植物性食品を主体にした食事を摂ることは、肝臓疾患の解消ばかりでなく、上のような性質をさらに伸ばすことができるとしています。

実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。

▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。


1 症状

肝臓疾患では、以下のような症状が見られるとしています。

  1. 肝臓や肝臓の周辺部分に、硬化や痛みがある。
    肝臓は、腹部の右上部、横隔膜の下に位置しています。自己診断を行うには、横隔膜の下の肝臓のある部分を指先で押します。
    この部分に、簡単に指先が入らなかったり、痛みや硬直を感じたりするようであれば、肝臓が腫れている可能性があるとされます。肝臓に問題がなければ、痛みを感じることなく、簡単に4本の指を差し込むことができるとしています。
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  2. 左半身の腹部の中央部分、または左の肋骨の下に硬化がある。
  3. 肝臓の経絡が走っているとされる、足の親指の内側の部分を中心として、腫れや痛み、その他の異常がある。
  4. 眼に、充血や腫れ、視力の低下がある。
    肝臓の経路は、眼に通じているとされ、眼の疾患は肝臓と関連性があるとされます。
  5. 短気や怒り、激怒、攻撃性、暴力的な考えや行動などが見られる。また、1か所にじっとしていられずに、絶えずあちらこちらうろつく傾向があり、落ち着きがなくなった。
  6. 顔色が、黄色や青色、灰色などを帯びている。

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2 原因

    1. 肝臓は、構造や機能を含めて、目が詰まっていて、活動的で、中央部分にあり、人体で最も陽性な臓器の1つとされます。
      そのために、肉類や卵、乳製品、魚介類といった陽性の動物性食品や塩、焼いた食品の過剰摂取で、特に影響を受けやすいとされます。
      同時に、砂糖やアルコール類、動物性と植物性の脂っぽい食品など、極陰性の要因にも影響されるとしています。これらの食品は、すべて肝臓を衰弱させるとしています。
      たとえば、体内に取り入れられた過剰な砂糖などの単糖類は、グリコーゲンの形で肝臓に貯蔵されるとしています。また炭水化物を、精白小麦粉や白砂糖、果物、乳製品、はちみつのような単糖類の形で大量に摂取すると、たやすく肝臓で貯蔵する許容量を超えてしまうとしています。こうしたことは、肝臓の負担になるばかりでなく、余剰の炭水化物が、血流に逆流して全身を衰弱させ、自然な免疫力が低下し、病気にかかりやすくなるとされます。
    2. 化学薬品や殺虫剤など、潜在した有害要因を持つ物質によって、血液中の毒素をろ過する肝臓の機能が、多大な影響を受けるとされます。
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    3. 怒りを表す言葉の「癇癪(かんしゃく)」は、伝統的な東洋医学では、肝臓の痛みを指しているとされます。肝臓が硬化して腫れてくると、怒りや欲求不満、攻撃性、暴力を生みだす短気のような感情を生むとしています。
      ずっしりと重い動物性食品は、肝臓の硬化を引き起こすもので、白砂糖やアルコール類、薬物などの極陰性要因が、こうした感情を引き起こすトリガーになりやすいとしています。
      家庭や学校、職場、地域、国家の間に起きる、破壊的であったり反社会的であったりする行為の大部分で、肝臓の不均衡という要因が内在しているとしています。
      主要原因は、以下が挙げられるとしています。

      • 過食
      • 小麦粉製品など、肝臓の閉塞と硬化を引き起こす食品の過剰摂取
      • 白砂糖や果物、果汁など、単糖類や二糖類を多く含んだ、肝臓を弛緩させ、衰弱させる食品の過剰摂取
      • 肉類や卵、乳製品など、肝臓の硬化や腫れを引き起こす、脂肪やコレステロールを多く含む食品の過剰摂取
      • 塩分の過剰摂取または摂取不足。塩分を摂りすぎると肝臓の硬化を引き起こすが、不足すると肝臓を衰弱させる
      • 夜遅くに食事をする。肝臓の負担になり、臓器が休まらない
      • 薬物やサプリメントの過剰摂取。適切な量と種類で摂取したとしても、特定症状の一時的な緩和には効果があるが、長期間の服用は、特に肝臓の負担になる
      • 運動不足
      • 緊張やストレス
      • 様々な疾患。様々な疾患と治療は、肝臓の負担になるため、まずは大元の病気を治すことが先決になる

3 個別の症状について

3-1 肝硬変
3-2 肝炎
3-3 黄疸

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4 症状の解消
それぞれの症状別に挙げられている推奨事項に加えて、以下のような注意点があるとしています。
一部だけ紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。

個別の症状について のそれぞれの記載に従い、以下の項目に留意します。
一部を紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。

  1. 毎食の主食として全粒穀物を摂る。
    特に肝臓の滋養を与える穀物は、全粒オオムギや全粒小麦、ハトムギなど。これらは単独で調理しても、他の穀物と併せて調理してもよい。
    イーストや甘味料などを使わないサワードウ・ブレッド*1などのパンやうどん、セイタン*2、その他の全粒小麦粉製品も時々は食べてよいが、硬く焼き締めた小麦粉製品は避ける。
  2. 殺虫剤や農薬などの化学薬品は、肝臓を刺激するため、可能な限り有機栽培された食品を摂る。
  3. 精製された砂糖やはちみつ、チョコレートなどの単糖類や二糖類は、摂りすぎると肝臓で脂肪酸に変形され、体内をめぐることになり、肝臓にも蓄積されるため避ける。
  4. 動物性食品は、肝臓の負担になるため避ける。ただし、どうしても食べたいときは、白身魚ならば2週間に1回、ダイコンおろしを添えて、少量食べてよい。
  5. 質の良い植物油も、使用量を減らして、脂肪の摂取を最小限にする。ドレッシングなど、生の油は避ける。
  6. タンポポやワケギなど、緑色の葉物野菜は、秋冬の間に摂取した陽性食品による体内の停滞を解消し、肝臓を鎮静化させる。
  7. 眼は肝臓と関連性があるため、眼の健康を保つことは肝臓にも効果的。特にテレビの見すぎやコンピュータの使いすぎによる眼精疲労を避ける。
  8. 肝臓の大半の症状で、次の特別な飲みものが効果的。
    干しシイタケ1:モヤシ1:ダイコンの葉1:粒蕎麦1の割合で合わせたものに、4~5倍の水を加えて、25~30分煮だして作ったお茶を、1日1~2カップずつ、3週間飲む。その後は、1日おきにして、さらに3週間続けて飲む。

5 留意点

  • 肝臓疾患の大半は、食べすぎによるものなので、小食にしたり、数日間の半断食を行ったりすると効果的。
    また、食事の総量や回数を減らして、1口200回ほど、よく噛んでから食べるとよい。断食や半断食を行ったあとは、緑色の葉物野菜を入れた玄米の重湯だけを、しばらくの間摂るとよい。
  • 不必要な医薬品や、ビタミン剤などのサプリメントは、肝臓に負担をかけるため、可能な限り避けるか、量を制限する。

*1 サワードウ・ブレッド(sourdough bread):
サワードウ(天然酵母)を使ったパン(サワードウ・ブレッド、サワーブレッド)は特有の強い酸味と風味を持っている。小麦やライ麦の粉と水を混ぜてつくる生地に、乳酸菌と酵母を主体にして複数の微生物を発酵させた、伝統的なパン。

*2 セイタン(seitan)
小麦から取りだされたグルテン(蛋白質)を主原料とした加工食品で、マクロビオティックでは肉の代わりに使われる。グルテンミートと呼ばれることもある。海外では、セイタンという名称が一般的。グルテンを主原料にした食品は、ほかに麩が有名。


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