クシマクロビオティックスから見た、脳疾患の原因と対応方法について説明します。
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法がありそうだということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
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厚生労働省の発表によると、平成23年(2011年)の、脳出血や脳梗塞などを含む脳血管疾患の、総患者数(=継続的に治療を受けていると推測される患者数)は123万5000人とされています。
また、日本人の脳卒中に占める脳出血の割合は、欧米の2~3倍とされ、どうも日本では脳出血が多いようです。
脳卒中などの脳疾患は、癌と心臓疾患に次いで日本人の死因の第3位となっています。
他の疾患と異なり、脳疾患は麻痺などの後遺症が多く残り、たとえば脳卒中では、助かったとしても、全く後遺症がなく生活ができるという人は20%にしかならないということです。介護などが必要な、社会的ハンディキャップを持つ人の40%が、脳卒中などの脳疾患に起因しているそうです。
脳の適切な機能や活動は、自然にそった生活や、中庸にバランスが取れた食事によって維持されます。ここでは、よく見られる脳の異常や数種類の疾患を取り上げて、それぞれの症状や思考、意識におよぶ食事の影響について説明します。
脳震盪や出血、内出血、腫瘍などのけがや疾患は、脳に損傷を与えます。また、主要な退行性疾患の中にも、脳に影響を及ぼすものがあるとしています。
1 症状
脳疾患では、以下のような症状が見られるとしています。
- 繰り返して起こる頭痛
- 記憶喪失
- 視覚喪失や聴覚喪失
- 不明瞭な発音など、発話の異常
- 顔や体の片側で、衰弱または麻痺が起こる
- (行動など)一貫性やバランスが失われる
- 発作
- 人格が変わってしまう
- 精神機能に障害が起こる
2 原因
- 脳と腸は、互いに相関関係にある臓器とされます。
腸は、人体が個体や液体、気体の形で食べ物を取り入れ、血液を作る一方で、脳は、エネルギーや波動を吸収し、イメージや意識を生みだす上部消化器官と言えるものとしています。
食べ物は、思考やイメージに影響を与えており、エネルギーと波動は、胃や腸、腎臓などの臓器に影響を及ぼしているとしています。
また、腸や消化器系の疾患は、脳や中枢神経系と関連性があるとしています。 - 脳や中枢神経系は、全般的に、小さく引き締まった極陽性なものとされ、薬物や医薬品、合成されたビタミンなどのサプリメントなど、極陰性の拡散性物質を磁石のように吸収するとしています。
- 人間の脳は、大脳と中脳、小脳という部位に分けられ、便宜的に前脳と中脳、後脳と呼ばれます。
- 前脳は、知性を司り、人間脳や霊長類脳と呼ばれる
- 中脳は、感情と知覚を統合し、哺乳類脳と呼ばれる
- 後脳は、無意識になされる基本的な反応を統制し、爬虫類脳と呼ばれる
このような脳の構造は、生命が水中から陸上に上がって以降、4億年の年月をかけて進化を遂げてきたとしています。生命が複雑化していくに従って、外部からの刺激を把握する能力も増加して、より高度な認識力が発達してきたといいます。こういった人間としての姿勢を維持するためには、全粒穀物を主食とすることが重要であるとしています。
人間が果実や種子、木の実、調理しない野菜を主食として食べている間は、その思考や認識、行動も、生の植物を主な餌としている大型草食動物などの哺乳類や鳥類、類人猿や猿などの初期霊長類の思考や認識、行動に類似するものであったとしています。やがて人間が、大量の肉類や卵、魚介類といった動物性食品を食べるようになると、人間の心や性格も、肉食の哺乳類や爬虫類、鳥類など、大量の肉や臓物を餌とする動物に似通ってきたとしています。Sponsored link
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全粒穀物は、理性と判断力を司る前脳に滋養を与えるものとしています。一方、精白や精製した穀物を食べすぎると、断片的で不完全な限定的人生観を抱くようになるとしています。
前脳の機能を適切に保つには、野菜や海藻、種子、木の実、果物、真菌類など、質のよい植物性食品の摂取が必要であるとしています。また、生や加熱した植物性食品が不足していると、知覚の発達が妨げられるとされます。 - 中脳は、眼や耳、鼻、味蕾(みらい)、気圧受容体からの刺激など、知覚の入力とその識別を司り、前脳と後脳の連携を調整しているとしています。
- 後脳は、呼吸や心臓の鼓動などの自動的反応、退散するか闘争するかの判断など、生き延びるための基本的機能を司ります。
後脳は、塩や小麦粉製品などの陽性食品によって養われ、無意識的な反応と意識的な反応の両方で、円滑な反応が生み出されるとしています。
また塩分が不足すると、肉体的な衰弱や混乱、悪い予感などが引き起こされ、逆に塩分や動物性食品が過剰であると、心身両面に過激な攻撃性をもたらすとしています。 - 砂糖や乳製品、清涼飲料水などの強力な陰性食品は、うるさい音楽や粗雑な動作、粗野で乱暴な行為といったような荒々しい波動を起こしがちであるとしています。
- 中脳は、知覚が集結する場所で、食事が乱れると鈍ったり幻覚が起きたりするとされています。
- 前脳は、創造的な思考や想像を生み出す場所で、食事が乱れると幻覚や妄想が起きるとしています。また前脳には、特に強い陰性食品が影響を与え、判断の誤りや活動の消極性が生み出されるとしています。
- 全粒穀物や調理した海や陸の野菜類、自然海塩、その他の調味料から生み出される、バランスが取れ、エネルギーのある食事法を実践すると、神や生命、真実、平和などの普遍的価値(=陰性の振動)を引き寄せるとしています。
反対に、このような食事が欠けて、混沌とした食物を摂っていると、世界は無意味で、物事が無秩序に起きるといったような否定的人生観を抱くようになります。 - 強い陽性の食品は、後脳に働きかけるもので、結果として緩慢で偏狭な判断が下され、暴力や攻撃的行為に引きつけられる傾向が見られるようになるとされます。
- 右脳は、地球からの力に依存する部分が大きく、統合的、空間的、芸術的な思考を司り、外交的・活動的な表現や行動につながります。
一方、左脳は、天からの力に依るところが大きく、合理的、分析的な認識を司り、内向的で静かな活動や技量をもたらすものとされます。
食事に偏りがあると、脳の各部分が受診するエネルギーが、損傷したり、遮断されたり、制限されたりする可能性があるとされます。
たとえば、肉類や卵、塩などの陽性食品を過剰に摂取すると、左脳が刺激されて分析過剰な精神性が生み出されると同時に、右脳を停滞させ、芸術的、創造的な表現を遮断してしまうとしています。
逆に砂糖や果物、アルコール類、薬物などの陰性食品を過剰に摂取すると、左脳の焦点や集中力が欠けてしまい、右脳には混沌として分裂した表現が生み出されるとしています。
3-1 脳の出血
3-2 脳卒中
3-3 髄膜炎や脳炎、その他の感染症
3-4 発作
3-5 脳腫瘍
4 症状の解消
個別の症状について のそれぞれの記載に従います。
ほかにも注意点や特別な料理や飲みもの、外側からの家庭療法など、多くの対応方法が紹介されています。一部だけ紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。
- コンピュータやテレビ、携帯電話、スマートフォンなど、顔面や頭部に電磁波を照射する電気機器の多用による被曝を避けます。
- 腸の機能が停滞すると、脳の疾患がさらに悪化する場合があります。便通をよくして、月経機能を正常に保つようにします。慢性的な便秘には浣腸もよいです。腹部を指圧したり、生姜湿布をしたりすることも効果的とされます。
- 合成繊維の衣服を避けて、綿か自然素材のものにします。特に下着や靴下、帽子、スカーフなど、顔や頭に直接触れるものは綿か自然素材にします。
- 興奮性や過敏症、落胆、自己の過小評価といった現象は、脳や神経の疾患に付随して見られることが多いとされます。瞑想や祈り、詠唱、ヨガなどを行うと、思考の一貫性や心の平静さを保持するのに役立つとされます。
- 軽い運動を行うのが効果的で、特にウォーキングがいいとされます。激しい運動ではなく、深呼吸やマッサージなど穏やかな身体運動が望ましいとしています。
- 足湯を行うと、血液とエネルギーの流れが刺激され、エネルギーが脳や頭部、体の上部から下方に導かれる。腫れや炎症、発熱の緩和にも効果的であるとしています。
- 発作のときは、足のマッサージを行うとよいとされます。特に足の親指をマッサージすると、体が温まって循環が促進され、効果的であるとされます。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
そのほか、クシマクロビオティックスコンシェルジュの資格認定プログラム、以下の書籍を参考にさせていただきました。
- マクロビオティック自然療法 久司道夫 日貿出版社
- 地球と人類を救うマクロビオティック 久司道夫 文芸社
- マクロビオティック健康法 正食のすすめ 久司道夫 日賀出版社
- マクロビオティック入門 久司道夫 かんき出版
- 専門家への相談窓口
クシマクロビオティックス・コンシェルジュ検定事務局
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