発酵食品は多岐に渡り、種類もたくさんあるので、有用と思われるものを抜き出して、効果などを説明していきます。
なお、経済効率優先の現代社会では、「○○もどき」の偽物が氾濫しています。
専門店でない、普通のスーパーやコンビニには、本物はほとんど無いと思います。
今こそ本物の発酵食品を食べて、生き残りましょう。
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- 味噌
古代中国で生まれ、日本の各地域で独自の発展を遂げた発酵調味料です。
日本の味噌は、大豆に米や麦の麹と塩を加えて、発酵させ熟成させています。麹の種類によって、下のように分類されます。日本の味噌では、約8割が米味噌と言われています。
- 米味噌
- 麦味噌
- 豆味噌
- 嘗味噌
- 醤油
起源は中国や東南アジアと言われますが、味噌が日本で独自の発展を遂げたのちに、味噌桶に溜まっていた汁が発展して醤油になったとされています。
おもに大豆と小麦、塩を発酵させ熟成させています(魚醤は除く)。関東では濃いもの、関西では薄いものなど、地域によって好みがあります。今や世界中で使われる万能調味料。 - 酢
起源は7000年前のバビロニアとされ、5世紀に中国から日本に伝わった、世界最古の調味料と言われます。穀物や果実から酒を造り、そこに酢酸菌を加えて発酵させたものが酢となります。殺菌や防腐作用があり、疲労回復にも役立つとされます。- 米酢
- 粕酢
- 黒酢
- リンゴ酢
- みりん
「伝統的製法の本みりん」と「標準的製法の本みりん」があるとされます。原料が、もち米と米麹、本格焼酎からできているのが「伝統製法による本みりん」です。
当サイトでは、そのまま飲んでもリキュール感覚でおいしいとされる「伝統製法による本みりん」だけを扱います。
ぶどう糖や水飴などを加え、米の比率を少なくした本みりんや、化学調味料を添加したみりん風調味料は除外します。
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- 麹
塩麹(しおこうじ)は、麹に、塩と水を加えて一週間ほど常温で発酵させたもの。
醤油麹(しょうゆこうじ)は、麹に醤油を加えて一週間ほど常温で発酵させたもの。
食材や調理法にもとらわれず、万能調味料として使えます。おおまかな分量でも作りやすく、常温で保存ができ、取り扱いも簡単。材料さえあれば、自宅で簡単に作れます。
なお醤油麹は、塩麹に比べて10倍以上の旨味成分(グルタミン酸)が含まれているとされます。- 塩麹
- 醤油麹
- 酒粕
日本酒を造るとき、まず蒸した米に麹と水を加えて発酵させ、もろみを作ります。
これをしぼった液体が酒、残った個体が酒粕とされます。
酒粕には、アミノ酸が20種類以上含まれ、ビタミン類も豊富で、調味料としても使えます。筆者は現在、酒粕メニューの勉強中です。
- 甘酒
栄養素が点滴とほぼ同じことから「飲む点滴」としても有名。江戸時代には、夏の飲み物として、誰でも飲めるよう安価に売られていたそうです。
米麹を発酵させて、伝統的な製法で作られた甘酒には当然砂糖は含まれていませんが、甘みがあります。ビタミンB1やB2、B6、葉酸、食物繊維、オリゴ糖・アルギニン・グルタミンなどのアミノ酸、ブドウ糖を含んでいます。
- 納豆
大豆を蒸して納豆菌で発酵させて作ります。
はじめに糸を引かない塩辛納豆が中国から伝わり、日本独自の製法である糸引き納豆が生まれたとされています。納豆のみに含まれるナットウキナーゼという酵素やリノール酸、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンE、ビタミンK、マグネシウムやカリウムなどのミネラルが含まれています。
- 漬物
漬け込む材料が多く、漬け床の種類も糠や粕など多種類で、漬ける期間も多岐に渡り、一説には600種類を超える漬物が日本にはあると言われています。発酵しない漬物もありますが、当サイトで取り上げたいのは、もちろん発酵した漬物。
乳酸菌の作用で細菌の繁殖を抑え、長期保存が可能なこともさることながら、漬け床の栄養素が発酵過程で漬物に移るため、ビタミンやミネラル、蛋白質が豊富に含まれるものが多いです。- ぬか漬け
- 麹漬け
- 粕漬け
- 豆腐よう
琉球王国の貴族が愛したとされる、豆腐よう。沖縄の島豆腐を、麹と泡盛を加えたもろみに漬け込んで発酵させ、熟成させたものです。
明の時代に琉球王朝に伝わった腐乳から生まれた発酵豆腐と言われています。チーズのようでとてもおいしいですが、アルコール分が含まれているので、注意が必要です。
- テンぺ
大豆を使ったインドネシアの発酵食品。
400~500年前に誕生したそうですが、今やインドネシアでは、年間70万トン近くが消費されているそうです。作りかたは納豆に似ていて、大豆を水に浸してからゆでたあとに、テンペ菌を加え発酵させます。テンペ菌は、インドネシアのバナナの葉に生息するとされています。植物性蛋白質のほかに、リノール酸や食物繊維、ビタミンB群、イソフラボンが豊富です。
- 鰹節
世界でもっとも硬い発酵食品と言われます。なかでも、カビ付け作業を4~5回以上繰り返した「本枯節」には、うま味成分やビタミン類が他の鰹節より多く含まれ、微生物が水分を完全に吸い取るために長期保存ができるようになっています。原料や削りかたの違いで、多くの種類があります。
- くさや
天然の抗生物質とも言える発酵食品。
その名のとおり、臭いけどおいしい、おいしいけど臭いです。
約400年前に、伊豆七島で生まれたとされています。独特の風味を持つ「くさやの汁」には抗菌性の物質が多量に含まれており、切り傷や腫れ物に塗ると治癒すると言います。そのために原産地の伊豆七島では、今ほど医療が充実していなかったときには、漬け汁を薬として飲み、患部にも塗るなど重宝していたそうです。
- 発酵茶
半発酵茶と発酵茶という、発酵させたお茶があります。一方、緑茶やハーブティーは発酵させておらず、不発酵茶と呼ばれます。
半発酵茶は、茶葉がもつ酵素で少し発酵させ、釜炒りして発酵を止めたものです。ウーロン茶が代表とされます。
発酵茶は、微生物によって発酵させたものと酵素によって発酵させたものの2種類があり、酵素系発酵茶の代表が紅茶、微生物系発酵茶の代表がプーアール茶となります。- プーアール茶(中国)
- 碁石茶(高知県)
- 阿波晩茶(徳島県)
- 黒茶(富山県)
- 石鎚黒茶(愛媛県)
- 発酵番茶など(日本各地)
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