クシマクロビオティックスから見た、胃の疾患の原因と対応方法について説明します。
胃の疾患には、胃炎や胃腸炎、胃潰瘍などが分類されます。こうした胃の疾患の中で、最も日本人が気をつけるべきなのは胃癌とされます。
胃癌では、胃痛や胃のもたれ、胸やけ、吐き気、食欲不振など、様々な自覚症状があるとされますが、早期のものでは、ほとんど自覚症状がないとされ、進行しても自覚症状がない場合もあるとされます。
胃癌の死亡率は、年々減少しているとされますが、2013年の癌による死亡者の中では、男性では肺癌に次いで第2位、女性では大腸癌と肺癌に次いで第3位とされ、依然として注意が必要とされます。
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胃が健康であれば、食欲があり、消化機能もよく働いて、同情や思いやり、理解といった感情に寄与するとされます。
一方、胃が動転して、疾患が発症すると、食欲と消化機能が失われると同時に、心配や猜疑心、嫉妬などの否定的な感情が現われるとしています。
胃の疾患については、胃癌 と消化器系疾患 も参照することとしています。
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
1 症状
胃の疾患では、次のような症状が見られるとされます。
- 消化不良。
- 食欲の不振。
- 吐き気。
- 味覚が鈍くなる。
- 腹部の膨満感。
- 痛み(腹部の上側の痛み)。
- 血糖値の不均衡。
- 体重の上下動。
2 原因
- 胃の疾患の大部分は、現代的な食生活と関連しているとしています。
食べすぎによる大量の飲食物は、胃に負担をかけ、胃酸の過剰な分泌が繰り返されて、炎症や潰瘍、胃の刺激につながり、最終的に腫瘍化するとしています。 -
全粒穀物は、ほとんど胃を通過し、おもに小腸で消化されて、絨毛から吸収され、赤血球細胞などの体液に変化するとされます。一方、精白小麦粉など精白穀物や砂糖類、菓子類、冷たい飲みもの、アルコール類、刺激や香りの強い飲みもの、化学薬品、薬物などは、胃で吸収され、すばやく血液や体液に乗って、薄い酸性の血液やリンパ液、体液を作り出すとしています。
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白米やMSG(グルタミン酸ナトリウム)、化学薬品が添加された食品などは、特に胃の上部の胃底と呼ばれる部分を刺激するとしています。
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肉類や卵、魚介類などの動物性食品や大量の焼いた食品、塩分は、胃の下部の幽門と呼ばれる部分に問題を引き起こすとしています。
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アイスクリームやヨーグルトなどの乳製品、豆乳、その他の豆乳製品は、腹部にできる瘤や嚢胞、腫瘍、けいれん(痙攣)につながるとしています。
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肝臓や胆のうに問題があると、胃にも影響が及んで、衰弱するとしています。
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3 個別の症状について
3-1 胃炎
3-2 胃腸炎
3-3 胸やけ
3-4 胃潰瘍
4 症状の解消
個別の症状について のそれぞれの記載に従い、以下の項目に留意します。
一部を紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。
- 毎食の主食として全粒穀物を摂る。
特に雑穀は、胃に効果的。雑穀は、単独で調理しても、玄米と混ぜて炊いても、他の穀物と合わせて調理してもよい。
たとえば、カボチャやニンジンなど甘い野菜と合わせて調理したり、スープに入れたり、お粥にしたりするとよい。 -
秋冬のカボチャや玉ねぎ、キャベツなど、球形の野菜類は、特に胃に滋養を与えてくれる。雑穀とカボチャのスープなど、スープ類や煮しめ、シチューなどに使うとよい。
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胃の働きすぎを抑えるには、梅干しや梅酢で調理した酸味のある漬物を摂るとよい。
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一口に100回またはそれ以上、よく噛んで食べるようにする。
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胃の酸性状態を中和させるには、梅干しを、2分の1~1個摂るとよい。
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梅しょう番茶または梅しょうくずを、毎日、小さなカップに1杯ずつ、最長でも5日間飲むと、産を生み出す食品の作用が中和され、消化が促進されて、エネルギーが回復する。
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きんぴらスープを、1週間に2~3回飲むと、血液が強化されて、活力が増す。
- 胃の出血がある場合や、胃の出血が疑われる場合は、重症であることが多いため、緊急な医療処置が必要である。まずは至急、医療機関を受診すること。緊急の処置として、出血を最小限に抑えるには、デンシー*を小さじに3分の1杯、少量の湯か水で溶いたものを20分おきに飲むとよい。ただし、飲むのは2~3回程度に留めること。デンシーが血液を濃くし、血液が凝固しやすく、出血の速度を緩める。出血が止まるまでは、水分はできるだけ控える。また、デンシーの代わりとして、ゴマ塩小さじ1杯を、少量の湯か水に溶いたものでもよい。
*1 デンシー:
マクロビオティックで様々に使われる、ナスのヘタの部分を黒焼きして、粉末状にし、自然海塩などを加えたもの。家庭でも手作りできる。
デンシーは、陰性要因で起こった歯や歯茎の異常や、口臭除去、切り傷の手当て、鼻血などの止血、その他の治療に使われる。
黒い粉末状のものや歯磨き粉など、既製品も入手できる。手当てに使う場合には、黒い粉末を使ったほうが効果が高いとされる。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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