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クシマクロビオティックスから見た、膵臓(すいぞう)疾患の原因と対応方法について説明します。

膵臓(すいぞう)は、人体の中央部、胃の後ろにある、長さが約15センチ、重さが約100グラムほどの大きさの葉の形をした臓器とされます。

膵臓(すいぞう)は、消化液を分泌する外分泌機能と、ホルモンを分泌する内分泌機能を持っているとされ、食物を消化する働きとホルモンによって糖をエネルギーに変える働きを調節する役割をしているとされます。

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内分泌疾患について、従来的な医療では、医薬品投与や手術、放射線その他を使った療法が行われるとされます。内分泌疾患も、主に生化学的不均衡から起きたものであり、薬剤の使用や手術などの従来的医療で修正できるもので、適切な食事や生活様式の変更によって改善できるものとは見なされないとしています。

厚生労働省の、2012年 国民健康・栄養調査によると、日本国内の糖尿病患者数は、約950万人と推定されていますが、自覚症状がないために、治療を受けている人は、患者数の65%程度であるとされています。

低血糖症は、急性または生命の危険が伴う疾患とは見なされませんが、多くの日本人に見られる症状で、今日の多くの感情的、家族的、社会的問題の背後に潜む疾患とされます。

膵臓(すいぞう)の疾患は、血糖値の不均衡や消化器系の問題に直結するとされますが、マクロビオティック食事法の実践で、予防解消することが可能であるとされます。

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実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。

▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。


1 症状

膵臓(すいぞう)疾患では、以下のような症状が見られるとしています。

  1. 腹部の中央、上部に見られる腫れや硬直、硬化などの異常
  2. 空腹感
  3. 衰弱
  4. 神経質
  5. 発汗
  6. 震え
  7. 手足のうずき
  8. めまい
  9. 特に昼下がりに起きる甘いものへの欲求
  10. 気分の揺れや怒り、集中力の欠如、感情の爆発、意気消沈を起こす傾向
  11. 過剰なのどの渇き
  12. 過剰な食欲
  13. 頻尿
  14. 体重の減少
  15. 疲労感
  16. おう吐を伴う吐き気
  17. 視界がぼやける
  18. 動悸
  19. 膣カンジダ症
  20. 男性の勃起障害
  21. 女性の膣の炎症や生理不順

また、伝統的な東洋医学では、膵臓(すいぞう)に問題があると、以下のような症状が見られるとしています。

  1. 鼻の上部やこめかみの外側に、腫れや変色、その他の異常が見られるとき
    黒っぽい色の場合、砂糖や菓子類、果汁、果物などの過剰摂取により、膵臓(すいぞう)に負荷がかかっていることを示す。

    白っぽい黄色の吹き出物がある場合、乳製品やその他の動物性食品、植物油などの摂りすぎによる脂肪や油分によってできたものを示す。

    黒っぽい色の斑点や吹き出物がある場合、大量の菓子類や塩、小麦粉製品を摂った結果としてできたものを示す。

    鼻の上部やこめかみの外側にあるほくろは、余分な動物性蛋白質と脂肪によって、膵臓(すいぞう)や脾臓(ひぞう)に負担がかかっていることを示す。

  2. 眼が透明、または青白く見えるとき
    膵臓(すいぞう)に、嚢胞や嚢瘍、腫瘍などが形成されていることが多いことを示す。
  3. 眉間に毛が生えているとき
    母親が妊娠中に、大量の乳製品や脂っぽい動物性食品を摂取したことを示し、膵臓(すいぞう)や脾臓(ひぞう)、肝臓に問題が起きやすい傾向があることを示す。
  4. 脂性の肌や乾燥肌
    膵臓(すいぞう)の問題も含め、脂肪の代謝に不均衡が見られることを示す。
    肌が黄色がかっているときは、胆汁の異常によるもので、膵臓(すいぞう)に問題がある場合が多いことを示す。
  5. 足のくるぶしの下から、足の親指に伸びる部分などの膵臓(すいぞう)の経絡に沿って、腫れや斑点、その他の異常が見られるとき
    膵臓(すいぞう)に問題があることを示す。

2 原因

  1. 膵臓(すいぞう)は、胃の後ろ側にあり、肝臓と胆のうが共用している胆汁管を通じて十二指腸につながっているとされます。このため、膵臓(すいぞう)は、頭と体、尾の3領域に分けて考えられるとしています。頭の領域は、炭水化物や脂肪、蛋白質の消化を助ける、膵液(すいえき)を分泌しているとされます。

    また、体と尾の領域は、血中の血糖値を調整するインシュリンやグルカゴンなどのホルモンと酵素を分泌しているとされます。こうしたホルモンは、ランゲルハンス島と呼ばれる膵臓(すいぞう)の網目状の細胞組織から分泌されるとしています。ランゲルハンス島は、20万から180万の数で、大半が脾臓(ひぞう)と接触する膵臓(すいぞう)の尾の領域に集まっているとされます。

    加えて膵臓(すいぞう)は、大量の重炭酸ナトリウムも分泌し、十二指腸へと供給しており、胃から流入する酸を中和しているとされます。食事に偏りがあると、こうした膵臓(すいぞう)の構造や機能に影響を及ぼし、健康問題を引き起こすとしています。

  2. 正常な消化と吸収の過程では、多糖類は、口や胃、膵臓(すいぞう)、腸のそれぞれの酵素を、それぞれ等分に使って徐々に分解されていくとされます。

    多糖類は、小さな糖類の単位に順次分解されたあと、ゆっくりと時間をかけて、血液中に流入していくとされます。この過程で、血液のpH値は、弱アルカリ性を保っているとされます。これに対し、単糖類や二糖類は急速に代謝されるため、血液の酸性化を引き起こすとしています。こうした極陰性の状態を緩和するために、膵臓(すいぞう)は、陽性なホルモンであるインシュリンを分泌し、血液中の余分な糖分を体細胞内に除去するとしています。

    この過程で、糖類すべての最終的な代謝形態であるブドウ糖の酸化という形で、エネルギーが噴出し、老廃物として二酸化炭素と水が排出されるとしています。極端な食品の過剰摂取は、血液中のブドウ糖を一定に保つ膵臓の機能を失い、慢性的に血糖値が高い状態(糖尿病)か、または低い状態(低血糖症)になるとしています。

  3. 肉類や塩味のチーズ、ツナ、サケ、エビ、カニ、その他の脂肪やコレステロールを多く含む動物性食品を大量に摂取すると、膵臓(すいぞう)の硬化が引き起こされて、慢性的に血糖値が低い状態である低血糖症が起きるとしています。
  4. 砂糖やチョコレート、はちみつ、濃縮甘味料、バターやアイスクリームなどの軽い乳製品、脂っぽい食品、精白小麦粉を使った小麦粉製品、熱帯原産の野菜や果物、スパイス類、アルコール類、薬物など、極陰性な食品の大量摂取は、膵臓(すいぞう)の過度の軟化や弛緩、腫れなどを引き起こし、糖尿病や膵炎(すいえん)が起きるとしています。
  5. 夜遅くに食事をしたり、就寝直前に何かを食べたりすると、膵臓(すいぞう)に余計な負担がかかるとされます。夜中に、食物の消化にあたることで、膵臓(すいぞう)が休めないためとしています。

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3 個別の症状について

3-1 糖尿病
3-2 低血糖症
3-3 高インシュリン血症(インシュリン分泌過剰症)


4 症状の解消
個別の症状について のそれぞれの記載に従い、以下の項目に留意します。
一部を紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。

  1. 毎食の主食として全粒穀物を摂る。とくに雑穀を使うと効果的。
    雑穀は、単独で炊いたり、玄米と混ぜて圧力鍋で炊いたり、カボチャやニンジンなど甘い味の野菜と合わせて調理したり、スープに入れたり、柔らかい粥にしたりする。
    また、玄米:雑穀を8:2の割合で合わせて炊いたご飯も、頻繁に作るとよい。
  2. 秋冬のカボチャや玉ねぎ、キャベツなど、球形の野菜類は、甘い味で、膵臓(すいぞう)に滋養を与えてくれる。
    根菜の煮しめや甘い野菜の煮しめ、雑穀とカボチャのスープなどのスープ類などに、球形の野菜類を使うとよい。
  3. 膵臓(すいぞう)の働きすぎを鎮めるには、梅干しなど、酸味のある漬物を摂るとよい。
  4. 鶏肉や卵、堅いチーズ、エビとカニなどの魚介類のような動物性食品は、膵臓(すいぞう)に集積され、硬化を引き起こす原因になるため避ける。
  5. 硬く焼き締めた小麦粉製品や塩気の強い食品、あぶり焼きなどをした料理は、避けるか量を制限する。
  6. 膵臓(すいぞう)に問題がある場合には、膵臓の安定のために、小豆カボチャコンブを頻繁に摂るとよい。とくに糖尿病によく、低血糖症にもよい。毎食、適量からやや多めの量(2分の1カップ~1カップ)で、2~4週間摂る。その後は、やや頻度を減らして摂るとよい。
  7. 醤油入りダイコンおろしを、2分の1カップ作って、1週間に2~3回摂ると、膵臓(すいぞう)に堆積した脂肪分を排出するのに効果的。

5 留意点

  • 膵臓(すいぞう)の疾患、とくに膵臓(すいぞう)癌などの場合に、何も症状が表面化せずに、病院の定期検診で見過ごされたり、誤診されたりすることが多いとされる。もし、何か重大な症状を自覚した場合には、至急、西洋医学で医師の診断を受けること。
  • マクロビオティック食事法や生活法の変更で、症状に改善が見られた場合には、これまで実施してきた治療や投薬を段階的に軽減したい旨を、西洋医学などの担当医師に相談するのもよい。しかしながら、マクロビオティック食事法の実践をはじめてから少なくとも2週間は、通常の医療処置を継続し、医療専門家の監視のもとで、徐々に治療や投薬を軽減していくようにすることが望ましい。

THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス

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