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クシマクロビオティックスから見た、低血糖症の原因と対応方法について説明します。

低血糖症は、慢性的に血糖値が低くなった症状で、膵臓(すいぞう)が、インシュリンと逆の働きをするグルカゴンを分泌できなくなり、血糖値を上げることができなくなって引き起こされるとされます。

低血糖症は、男性に比べ、若い女性や中年の女性に多く見られるとされます。

現代社会にはよく見られる疾患であり、久司道夫氏の観察によると、日本人の大人の約60%、女性では約70%が低血糖症であるとしています。
患者は、血糖値の変動に応じて、そう状態とうつ状態を交互に繰り返し、感情の噴出や意気消沈、気分の揺れなどが見られることが多いとしています。

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低血糖症は、以下のような症状が見られるとしています。

  1. 赤ら顔
  2. 不整脈
  3. アレルギー
  4. 皮膚炎
  5. 下痢や便秘
  6. 筋肉のまひ
  7. 頭痛
  8. 腸炎
  9. カンジダ症
  10. 癌やウイルス性疾患(肝炎やエイズなど)にかかりやすくなる
  11. リウマチ
  12. 不感症
  13. 不妊症
  14. 流産
  15. 貧血
  16. めまい
  17. 全身の震え
  18. 疲労感
  19. うつ状態
  20. 様々な精神的心理的不安定感(いらだちや気分の浮き沈み、興奮症、神経質、自殺志向、人生の夢や目標の喪失、猜疑心、恐怖、自閉症、孤立感など)

また、重症の低血糖症では、以下のような症状が見られることもあるとしています。

  • めまい
  • 気絶
  • 全身の震え
  • 意識不明、昏睡状態、ひきつけ

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何らかの程度で低血糖症に陥っている人は、筆者も多いと感じていて、キレている大人や子供を見ると、ほぼ何らかの低血糖症状なのだろうなと考えています。

ペットボトル症候群という言葉を聞かれたことがあるでしょうか?

ペットボトルの清涼飲料水を日常的に飲んでいる人に、急性の糖尿病が現われることから、ペットボトル症候群と呼ぶそうです。全てではないと思いますが、500mLペットボトルの清涼飲料水やスポーツドリンクには、角砂糖が10個以上の糖分が含まれており、日常的に飲んでいる方は、注意が必要と思います。

1日に数回、甘いものが欲しくなる人は、たいていが低血糖症であるとされます。

こういった人は、午後2時から夜にかけて、次第に日が陰って太陽が沈むにしたがって、甘いものが無性に欲しくなるとしています。

そして、もし甘いものが食べられないと、以下のような症状がみられるようになるとされます。

  • 疲労感
  • 不眠症
  • 活力の低下
  • 能率の悪化
  • 欲求不満
  • うつ状態
  • 不満足感

感情の浮き沈みが激しくなり、人間関係も不安定になってくるとされます。また、夕食すら食べられずに、横になって休まずにはいられない状態になってくるとしています。

夜は、手足などを含めた全身が冷えて熟睡できないために、長時間の睡眠が必要になるとされます。

朝になり、太陽が昇るにしたがって、血糖値も上昇し、健康で活気にあふれたように感じる一方、午後になると、1日のエネルギーと血糖値が低下してきて、いらいらし始め、同じ状態を繰り返すとしています。

ここまでになってしまうと、男女間や親子間でも問題が起きやすくなるとしています。

こうした症状が見られる人々は、自分の血糖値が慢性的に低い値であるとは知らずに、それらが人間関係に問題を起こすような潜在的要因であると考えていないとしています。

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従来的医療での治療は、食事療法が行われることが多いとし、食物繊維と複合炭水化物を多く含む食事を、少しずつ、1日6回摂る方法があり、砂糖や果物、アルコール類の摂取が制限されるとしています。

マクロビオティックの観点からすると、低血糖症に潜在する要因は砂糖や菓子ではなく、卵や肉類、チーズなど重い乳製品、エビ、カニ、しらこ、鮭、ツナなどの強力な動物性食品であるとしています。

パンなどの硬く焼き締めた小麦粉製品や、塩分やミネラル分が多く含まれる食品も、低血糖症の要因であるとしています。これらの食品のなかで、バターや植物油で炒められたものが、とくに有害とされます。こうした強力な陽性の食品は、膵臓(すいぞう)を硬化させ、グリコーゲンの分泌を妨げるとしています。

低血糖症の人は、血糖値が下がると、砂糖やハチミツ、清涼飲料水などの甘いものという形で、陰性なものが欲しくなるとされます。こうした食品に含まれるブドウ糖によって、血糖値が上昇し、膵臓(すいぞう)が一時的にリラックスすると、ほっとした気分になるとしています。

膵臓(すいぞう)をリラックスさせるために、ほかにもナス科野菜など熱帯原産の野菜類、大量の果物や果汁、スパイス類、刺激物など、拡散性をもった強力な陰性食品が無性に欲しくなって、大量に摂取するとしています。

同じように、ワインやビール、日本酒、その他のアルコール類が無性に飲みたくなったり、コーヒーや緑茶、ミントティーなどカフェインを含んでいたり、刺激や香りの強い、陰性な飲み物が欲しくなることもあるとされます。

また、緊張やストレスも、低血糖症に関与して、菓子類やアルコール類などへの欲求を生じさせるとしています。

抗癌剤やステロイドなど、ある種の医薬品も、低血糖症を引き起こす要因になるとされます。

実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。

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▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。


▼症状の解消

陰陽両極端が併合した症状に対応する、中庸の食事に従います。

次の指針に従うと、慢性的に低い血糖値も、4~5ヶ月で解消されることが多いとしています。
一部を紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。

  1. 毎食の主食として全粒穀物を摂る。とくに玄米や玄米餅、雑穀などがよい。その際、穀物は消化しやすいように、柔らかめに炊くとよい。
  2. パンなどの小麦粉製品は、麺類も含めて、できるだけ避ける。
  3. 味噌汁の具として、ワカメやコンブに加え、雑穀や餅、カボチャや玉ねぎ、ニンジンなどの甘い野菜類を使うとよい。
  4. トマトやナス、ピーマンなど、ナス科の野菜は避ける。
  5. 料理に様々な種類の野菜類を使う。カボチャやニンジン、ダイコンなどを頻繁に使って、野菜の煮しめや甘い野菜の煮しめ、小豆カボチャコンブなどを作るとよい。
  6. 豆類や豆製品、海藻類の摂取については、標準的な指針に従う。
  7. 果物や果汁はできるだけ避ける。どうしても欲しいときは、果物に塩をひとつまみ加えて、加熱調理したものを少量摂る。

▼留意点

  • インシュリンなどの化学薬品や抗癌剤、化学療法などによって血糖値が低下したときには、甘いくずの飲みものに、麦芽飴か玄米米飴を加えたものを、小さなカップに1杯ずつ、5~10日間飲むとよい。
  • ある種の症状を抑えるには、鍼などの東洋医学やホメオパシーなども役立つ。必要に応じて、経験豊富な専門家に相談し、実施するとよい。

THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス

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