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クシマクロビオティックスから見た、胆のう疾患の原因と対応方法について説明します。

胆のうは、肝臓と十二指腸とをつなぐ管の途中にある、長さが約10cm、幅が約4cmの西洋ナシのような形をした、筋肉質の小さな臓器で、肝臓で作られた胆汁を溜めておいたり、消化を助けるために十二指腸まで胆汁を流し込んだりする働きをしているとされます。

胆汁は、脂肪の消化に必要な液体で、肝臓では1日に約1Lほど作られており、胆のうでは水分を少なくし、濃縮した状態で、約50~60mLを貯えているとされます。

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胆汁は、約90%が水分で、そのほかビリルビリンという色素やコレステロール、胆汁塩などが含まれ、緑色がかった黄色の粘着性消化液とされます。この胆汁の通り道のことは、胆道と呼ばれます。

胆のうの疾患で、最も多いのは胆石とされます。

実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。

▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。

緑道のイメージ

1 症状

胆のう疾患では、次のような症状が見られるとされます。

  1. 右のわき腹にある胆のう、またはお腹周辺に腫れや痛みを感じる。特に、食後や真夜中に感じることが多い。
  2. 右のわき腹にある胆のう周辺に激痛がある。背中や肩にも痛みがあることが多い。ほかに消化不良や発熱、悪寒、吐き気、嘔吐、黄疸などの症状が見られることがある。
  3. 胆のうの経絡が走っている、足の薬指に、腫れや痛みなどがある。
  4. 顔や頭部からはじまって、首や肩、胸を通って、胴体を胆のうの場所まで下り、腰や脚の外側から、足の薬指に至るまでの地点を結ぶ、胆のうの経絡に沿った場所に、硬化や腫れのような異常がある。
  5. 眉間に縦のしわが見えるときは、動物性食品や塩分、焼いた食品の食べすぎを示す。また、眉間が膨らんでしわができたりしている場合、砂糖やアルコール類、大量の油脂など陰性食品の摂取によってできたもの。

2 原因

    1. 食べすぎ。質のよい食品であったとしても、食べすぎは胆のうに悪影響を及ぼす。
    2. 胆のうや胆のうの経絡に停滞や硬直を引き起こす食品、特にパンやクッキー、ポテトチップス、ケーキなど、硬く焼き締めた小麦粉製品の過剰摂取。
    3. 胆のうを緩ませて衰弱させる食品、特に白砂糖や菓子類、はちみつ、果物、果汁など単糖類を多く含む食品、植物油、ドレッシングなどの過剰摂取。
    4. 脂肪やコレステロールを多く含む食品、特に肉類や卵、チーズなどの乳製品などの過剰摂取は、胆のうを硬化させ腫れを生む。
    5. 過剰な塩分または塩分不足。
    6. 夜遅い時間の食事。夜間に頻繁につまみ食いなどをすると、胆のうの負担になり、臓器が休まらない。

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3 個別の症状について

3-1 胆石


4 症状の解消

個別の症状について のそれぞれの記載に従い、以下の項目に留意します。
一部を紹介しますので、専門家への相談の際に確認するとよいのではと思います。

  1. 毎食の主食として全粒穀物を摂る。
    全粒オオムギや全粒小麦、ハトムギは、特に胆のうに効果的で、これらは単独で調理しても、他の穀物と併せて調理してもよい。
  2. 硬く焼き締めた小麦粉製品は避ける。ただし、精白していないサワードウ・ブレッド*1などのパンやうどん、セイタン*2、その他の全粒小麦粉製品は、1週間に1~2回食べてよい。
  3. 精製された砂糖やはちみつ、チョコレートなどの単糖類は避ける。
  4. 動物性食品は、魚介類以外は避ける。どうしても食べたいときは、10~14日間に1回、ダイコンおろしを添えた白身魚を食べる。
  5. 脂肪の摂取を最小限にし、植物油も減らす。ドレッシングなど、生の油も避ける。
  6. ナスやトマト、ジャガイモなどのナス科植物、熱帯産の野菜を避ける。
  7. 海藻には強化作用があるので、毎日、少量ずつ摂るとよい。
  8. オオムギと大豆から作られた天然醸造の味噌は、胆のうに特によい。

緑道のイメージ2
5 留意点

  • 胆のう疾患の大半は、食べすぎの原因によるもので、数日間は食事の量を減らすか、半断食を行って様子を見るとよい。食事の量や回数を減らして、一口200回くらい良く噛んで食べるとよい。断食または半断食を行ったあとは、青菜を添えた、玄米の重湯だけを短期間摂る。スープに味噌を入れるときも、ごく少量に留めること。数日後からは、標準的な食事に従っていくが、症状が改善されるまでは、動物性食品はすべて避ける。
  • 胆のうに負担がかかるため、不必要な薬剤やサプリメント、ビタミン剤などの摂取は、できるだけ避ける。

*1 サワードウ・ブレッド(sourdough bread):
サワードウ(天然酵母)を使ったパン(サワードウ・ブレッド、サワーブレッド)は特有の強い酸味と風味を持っている。小麦やライ麦の粉と水を混ぜてつくる生地に、乳酸菌と酵母を主体にして複数の微生物を発酵させた、伝統的なパン。

*2 セイタン(seitan):
小麦から取りだされたグルテン(蛋白質)を主原料とした加工食品で、マクロビオティックでは肉の代わりに使われる。グルテンミートと呼ばれることもある。海外では、セイタンという名称が一般的。グルテンを主原料にした食品は、ほかに麩が有名。


THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス

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