日本の終戦直後に、広島と長崎の爆心地付近を訪れて被曝した2名のソ連人諜報員のうち、1名がアルコールを飲んでいて助かったという話があります。
書籍を確認した結論としては、放射線被曝障害の低減に、アルコールや日本酒などの酒が効果的である可能性はやはり高いと思います。
ただし、他のコンテンツでも書きましたが、その効果がどういったメカニズムで効くのかは不明ですので、まあ効いたらいいくらいの気持ちでいたほうがいいでしょう。
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生存を考える上では、大人限定になりますが、ときどき飲むとよいのではと考えます。そして、アルコールを飲むのはまずいと思いますので、やはり日本酒がいいのではないかと思います。
その際、より効果が高いと推測されるのは、酵母が生きたままの「無濾過 生酒」または「無濾過 生原酒」という種類の、「生生」とか「本生」などと呼ばれる2回の火入れを行っていない日本酒です。
こうした日本酒は、火入れという加熱殺菌をしていないため、冷蔵が必要で、扱いがデリケートになるために、一般の酒屋ではなかなか置いてないかもしれません。
なお、筆者がお勧めしたいのは、大人でも子どもでも食べられる、酒粕を使った料理です。子どもには、アルコール分を飛ばせばよいので、筆者も時々、味噌汁に投入して使っています。
ただ、アルコール分はほとんど飛んでしまっているので、効果がどれくらいあるのかは分からなくなりますが…。
日本の終戦直後1945年8月16日に、当時のソ連指導者スターリンの命令で、広島と長崎を訪れた2名のソ連人諜報員がいたそうです。
訪問の目的は、アメリカの行った原子爆弾投下を実際に自分たちの目で確認するためであったそうです。
この話が書いてある書籍の著者であるアレクセイ・A・キリチェンコ氏は、1965年から1986年まで、KGB第二総局で対日防諜に従事し、その後ロシア科学アカデミー東洋学研究所で、主に日露関係史の研究をしていると説明されています。
終戦直後に広島と長崎を訪れ*1被曝したとされるのは、次の2名です。
- ソ連公使のミハイル・イワノフ
- ソ連大使館員のゲルマン・セルゲーエフ
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このうち、セルゲーエフ氏は、東京に戻ったあと、気分の悪さを訴えるようになり、モスクワまで帰り、当時不明だった病気である放射線被曝によって、間もなく亡くなったと説明されています。
もう一方の、イワノフ氏は、東京に戻ったあと、引き続き都内で勤務し、そのあとで病院に入院させられたそうです。
その後は1970年代に武官として日本に勤務し、さらにその後には軍事・外交アカデミーで教鞭をとったと説明され、2012年11月には100才を迎えたとあり、書籍の刊行された2013年時点で存命であるとされています*2。
以下、知られざる日露の二百年 アレクセイ・A・キリチェンコ 著、川村秀 編、名越陽子 訳 現代思潮新社 より引用します。
ミハイル・イワノフの方は東京でさらに一年も勤務した。その後モスクワに召還されると、ブルデンコ記念軍事病院に入院させられた。そこに彼は一年間いた。彼に輸血が八回おこなわれ、あらゆる面から彼の体が検査された。その結果だされた結論は、彼を救ったのは「サントリー」ウイスキー、すなわち血中のアルコールだった。アルコールは放射線被曝に対する有効な防御で、彼はセルゲーエフと違い、調査の途上で飲んでいたのだった。
その時以来、ロシアの原子力施設で働くすべての従業員は一ドーリャ[四四ミリグラム]のアルコール摂取が義務付けられた。原子力潜水艦隊ではこのドーリャのことを「イワノフのコップ」と呼んでいる。
最後にポイントをまとめます。
- 広島と長崎への原子爆弾投下時に、被曝したが、アルコールを飲んだことで助かったのではないかとされる事例が複数存在する。
- 事実としては存在するが詳細は不明。放射線被曝障害の低減効果もどういったメカニズムで効くのかは不明のため、効いたらいいくらいの気持ちでいたほうが懸命。アルコール(エタノール)はよくないので、日本酒などがお勧め。また当然のことながら飲み過ぎは厳禁。1~2合程度の摂取が良いと思われる。
- 筆者がお勧めしたいのは、大人でも子どもでも食べられる酒粕を使った料理。子どもには、アルコール分を飛ばせばよい。ただ、アルコール分がほとんど飛んでしまうので、どれくらい効果があるのかは不明だが…。
*1:
朝日新聞社のサイトにある 【2014年の夏】 (核といのちを考える)原爆、元ソ連スパイの証言 終戦直後、広島・長崎へ (2014年11月9日 朝刊)では、2名は、8月16日に広島、8月17日に長崎を訪れたと説明されています。
*2:
朝日新聞社のサイト(同上)では、2014年に101才で亡くなったとされています。
* 知られざる日露の二百年 アレクセイ・A・キリチェンコ 著、川村秀 編、名越陽子 訳 現代思潮新社
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