クシマクロビオティックスから見た、脳下垂体の疾患の原因と対応方法について説明します。
脳下垂体は、内分泌腺を統括し、甲状腺や副甲状腺、副腎、膵臓(すいぞう)の、α細胞やβ細胞、生殖腺、十二指腸粘膜の調整に、大きな役割を果たしているとされます。
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脳下垂体は、脳の下側に、脳にぶら下がるような形で存在し、次のようなホルモンを分泌しているとされます。
番号 | ホルモン名 | 性質 | 生成する場所 | 機能 |
1 | 成長ホルモン(GH) | 陰性 | 脳下垂体の前面もしくは前葉 | 成長を統制する。 |
2 | 甲状腺ホルモン | 陰性 | 脳下垂体の前面もしくは前葉 | 甲状腺を統制する。 |
3 | 生殖腺ホルモン(性腺刺激ホルモン) | 陰性 | 脳下垂体の前面もしくは前葉 | 生殖器を統制する。 |
4 | プロラクチン(乳汁分泌ホルモン、乳蛋白質生成ホルモン) | 陰性 | 脳下垂体の前面もしくは前葉 | 乳腺に母乳の分泌を開始させる。 |
5 | 副腎皮質刺激ホルモン(ACTH) | 陰性 | 脳下垂体の前面もしくは前葉 | 副腎皮質を統制する。 |
6 | 抗利尿ホルモン(バソプレッシン) | 陽性 | 脳下垂体の背部もしくは後葉 | 腎臓の水分量と血圧を制御(血圧を上げる)する。 |
7 | オキシトシン | 陽性 | 脳下垂体の背部もしくは後葉 | 子宮と胸部筋のひき締めを行う。 |
これら脳下垂体のホルモン分泌は、分泌が多すぎても少なすぎても、不均衡な症状が現われるとしています。
- 成長ホルモン(GH)など陰性ホルモンの分泌減退
幼年期の初期に見られる小人症や幼年期の後期に発症する脳下垂体の悪液質(カヘキシー)*を引き起こすとしています。これらの症状は、いずれも収縮過剰または陽性過剰なものとされます。
- 抗利尿ホルモン(バソプレッシン)の分泌減退
放尿回数が激増し、体液が大量に失われる糖尿病など、膨張性の陰性症状を引き起こすとしています。
- 幼年期初期の成長ホルモンの分泌過剰
巨人症を引き起こし、幼年期の後年では先端巨大症を発症するとしています。いずれも陰性過剰な症状とされます。
- 抗利尿ホルモン(バソプレッシン)の分泌過剰
放尿の困難さを引き起こす、陽性な収縮性症状とされます。
実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。
▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。
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▼原因と対応方法
脳下垂体の疾患を、予防したり解消したりするには、陰性傾向に対応した食事(標準食から陽の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)または陽性傾向に対応した食事(標準食から陰の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)に従います。
症状の陰陽に応じて、若干の調整をして行うこととしています。
* 悪液質(あくえきしつ):
悪液質(あくえきしつ)は、癌や白血病、慢性疾患、内分泌疾患などの経過中に現われる、全身の衰弱状態のことを指す。カヘキシー(cachexia)ともいう。
栄養失調によって痩せ、まぶたや足のむくみ(浮腫)が見られ、貧血による皮膚蒼白などの症状があるとされる。癌の末期に見られる悪液質を、癌性悪液質という。ほかに、下垂体の広範な破壊を原因とする下垂体(脳下垂体)性悪液質も知られている。下垂体(脳下垂体)性悪液質では、体重減少や低タンパク血症、粘液水腫、臓器の委縮などの症状が見られるとされる。
THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス
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