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クシマクロビオティックスから見た、副腎の疾患の原因と対応方法について説明します。

副腎は、腎臓の上の後腹膜腔と呼ばれる部位にある小さな三角形の臓器で、背骨の脇、心臓の下あたりに位置しています。

この副腎が疲労すると、慢性的な疲労やうつ症状などが起こるとされ、従来的医療では、血液と唾液で検査するものとされます。

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副腎では、髄質部から、血圧や心拍数、発汗、その他の活動に影響を及ぼすアドレナリンが分泌され、外部の副腎皮質から、男性的な特徴を発達させたり、血圧を制御したり、体内のナトリウムとカリウムのレベルを正常に保つ作用に関係するアンドロゲンやコルチステロイド、その他のホルモンが分泌されるとされます。

副腎の主要な疾患としては、アジソン病が挙げられるとしています。
アジソン病は、副腎皮質部分の衰弱とされ、副腎の不活発化やコルチステロイドの生成不足の結果として、疲労や低血圧、基礎代謝の低下、筋肉の弛緩、皮膚の異常な色合いのような症状が現われるとされます。

この潜在的致死性を持つ疾患に対して、従来的医療では、プレドニゾロン*などのステロイドを、経口または静脈注射などによって、患者に、一生涯のあいだ、投与する方法が取られるとしています。

また、副腎皮質のアンドロゲン分泌過多は、男女問わず、男性的な特徴が過剰に現われる男性化や性的早熟、生殖器の成長不全などを引き起こすとしています。
こういった症状は、後年、性転換の傾向をもたらす原因になるとされます。

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一方、コルチステロイドが過剰に分泌されると、難病に指定されているクッシング症候群が引き起こされ、次のような症状が現われるとしています。

  • 胴回りや背中の上部に脂肪が過剰に蓄積される
  • 顔が丸く大きくなる
  • 筋肉が弛緩する
  • あざができやすくなる
  • 高血圧になる
  • 骨がもろくなる
  • 感染症や腎臓の結石、糖尿病にかかりやすくなる

このクッシング症候群は、脳下垂体の機能不全や副腎の良性腫瘍、肺の腫瘍などと関連するとしています。

実際に、マクロビオティック食事療法を行う場合には、必ず事前に専門家に相談するようにしてください。
西洋現代医学のほかにも、対応方法があるかもしれないということは認識しておきましょう。

▼前提
致命的な症状が疑われる場合や致命的な現象を引き起こしかねない状況が想定される場合には、まずは至急、西洋医学などで医師の受診を受けてください。ここでは、予防的な観点を中心に、原因や対応方法について説明します。

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1 症状と原因、対応方法

1. 副腎の不活発化やコルチステロイドの生成不足によって引き起こされる症状

・アジソン病
マクロビオティックの観点では、アジソン病は、本質的には陰性な疾患とされ、砂糖やチョコレート、精製甘味料などの単糖類、精白穀物、果物や果汁、熱帯原産の野菜類、スパイス類、コーヒーなどの刺激物、アルコール類、薬物など、極陰性な飲食物の摂取によるものとされます。しかしながら、上記に加えて、長期に渡る、肉類やその他の動物性食品、塩分、塩気の強い食品の過剰摂取で、副腎が働きすぎて収縮力を失い、ホルモンの生成不足を引き起こす場合があるとされます。

⇒アジソン病の改善のためには、すべての陰陽両極端の食品を避け、中庸にバランスが取れたマクロビオティック食事法を実践します。
一般的に、陰陽両極端が併合した症状に対応する、中庸の食事に従います。


2. 副腎皮質のアンドロゲン分泌過多、およびコルチステロイド過剰分泌によって引き起こされる症状

・男性的な特徴が過剰に現われる男性化や性的早熟、生殖器の成長不全
・クッシング症候群
これらの症状は、いずれも陽性過剰によるものとされ、肉類や魚介類、チーズなどのかたい乳製品、その他の動物性食品、塩気の強い食品、堅く焼き締めた小麦粉製品の摂りすぎで引き起こされるとしています。

⇒標準的なマクロビオティック食事法に従い、陰性方向にやや軽めに調整するとよいとしています。
一般的に、陽性傾向に対応した食事(標準食から陰の要因をわずかに強調する方向で、食事内容を修正)に従います。

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2 その他の注意点
それぞれの対応方法に加えて、副腎を活性化するためには、次の注意点が挙げられています。

  • 副腎を活性化する手当てとしては、脊柱の脇を走る膀胱の経絡に沿う主要なツボに指圧を行うと効果的。

* プレドニゾロン:
プレドニゾロンは、ステロイドと呼ばれる合成副腎皮質ホルモン剤の1つで、抗炎症や抗アレルギー、免疫抑制など様々な作用がある。従来的医療では、内科や外科、小児科を含む各科で、様々な医療行為に使われる。
対象となる症状や薬の量、内服した期間などにより様々に異なるが、主に次のような副作用があるとされる。そのため自己判断で服用をやめないようにし、異常の際は医師への相談が必要。

  • 免疫力の低下
  • 骨粗鬆症
  • 糖尿病
  • 消化管の潰瘍
  • 血栓症
  • 精神症状
  • むくみやムーンフェイス(満月様顔貌)
  • 動脈硬化、高脂血症
  • 高血圧症
  • 白内障
  • 緑内障
  • その他(副腎不全やにきび、骨壊死など)

THE マクロビオティック 久司道夫 マガジンハウス

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